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大阪・八尾 井筒和幸監督トークショー 「在日描けば日本が見える」

「リムジン江、歌わない社会に」

 総連大阪・八尾柏原支部などが主催する「井筒和幸監督トークショー in 八尾」が6月24日、大阪・八尾市生涯学習センターで行われ、同胞、日本人ら約200人が参加した。総連八尾柏原支部の鄭豊和委員長と田中誠太・八尾市長、浦宗二・前八尾市議がともに参加した。

社会に「ショック与えた」

 井筒監督は在日朝鮮人の問題を扱った映画の2作目「パッチギ Love&Peace」の撮影秘話や映画に込めた思い、日本社会の問題点や朝・日交流の必要性について語った。

 2作目の舞台は東京・枝川。在日朝鮮人が強制移住させられた地だ。井筒監督は、東京の繁華街の「ゴミ捨て場」に追いやられた在日朝鮮人の子孫たちが学校を取り上げられようとしていたことに矛盾を感じ、舞台に選んだという。

 「川を一つ越えた枝川で何が起きているのか、例えば都内の高校生、丸の内のOLたちのどれぐらいが知っているのか。なかには江戸時代から在日がいると思っている人もいる。在日について知る装置も教育もないのが現状」

 「在日」を描くことで日本社会の中の問題点を浮き彫りにする−そんな映画だったという。とくに、自由で革新的な海外の芸能界とは対照的に、「保守的で閉鎖的」、それでいて「在日の逃げ場」となっていたという日本の芸能界を描くことで「日本が見える」という。

 テーマ曲の「リムジン江」については、「南北だけの悲劇ではない。日本人と朝鮮人の間の悲劇でもある」としながら、「おじいちゃんになって、昔はこんな歌があったと言えるようになれば」と語った。

 映画の反応について、「日本社会にショックを与えただろう。知らないことを見せられて何かに覚醒したと思う」と語った。「ショック」がバッシングとなって返ってくることもあるが、交流や朝鮮学校支援などが広がっているという。

 井筒監督は「国政や県政、市政のなかで在日の問題を解決していかなくてはならない。多くの日本人、とくに政治家に観てもらいたい」と語った。

「交流につながれば」

トークショーには同胞、日本人ら約200人が参加した

 参加者たちは井筒監督の熱意と在日朝鮮人への理解に感銘を受け大きな拍手を送った。「多くの日本の市民と一緒に参加できたことが意義深い。これから交流につながれば」と感想を語った。

 実行委員の一人で司会を務めた八尾柏原青商会の高景敏幹事長は、「一人でも多くの人が参加して何かを感じてくれたらと思って企画した。政治情勢に関する行事は人を集めにくいが、今日は多くの同胞や日本人、市長まで参加して成功したと思う」と語った。

 東阿八尾柏原商工会の邢盛男副会長は「厳しい情勢のなかでも、同胞社会を守る人たちがいて、われわれを支持してくれる日本人がいるということを理解してほしい」と語った。(泰)

[朝鮮新報 2007.7.2]