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水害支援物資輸送「朝鮮船舶入港認めよ」 総連中央の南昇祐副議長が記者会見

 総連中央の南昇祐副議長は6日、朝鮮の各地を襲った豪雨による洪水被害にともない、総連と在日同胞が準備している人道支援物資を輸送する朝鮮船舶の入港許可を求める安倍晋三総理あての要請書(要旨別項)を内閣府を訪れ戸井田徹政務官に直接手渡した。しかし、日本当局は7日、要請書の受け取りを拒否し、これを配達証明郵便で送り返してきた。

 南昇祐副議長は7日、記者会見(写真)を行い、日本当局の対応を「人道主義の精神に基づいた緊急支援までも妨げる非人道的で常識と道理を欠いた破廉恥な行為」だと述べ強い抗議の意を表した。

 記者会見で南昇祐副議長は、総連代表が直接、要請書を手渡したにも関わらず首相官邸では要請書を受け取っていないとしながら配達証明郵便でこれを送り返してきたことについて、「前代未聞の行為」「国際慣例を逸脱し道理、道徳に反する」と強い怒りを示した。

 そして、純粋な人道支援目的で行われる緊急支援物資を運ぶための朝鮮船舶の入港許可要請すら門前払いした日本政府、とくに首相官邸の態度は「非人道的で在日同胞に対する民族差別と排他意識を示す敵対的行為」だと糾弾した。

 南昇祐副議長は、日本政府は人道支援物資輸送のための朝鮮船舶の日本入港を即時認めるべきであり、10月中旬まで延長した対朝鮮制裁措置を解除し、「万景峰92」号の入港再開と在日同胞の自由な祖国往来が保障されるべきだと強調した。

要請書(要旨)

 8月7日からの集中豪雨によって、朝鮮民主主義人民共和国の各地で甚大な被害が発生している。

 朝鮮中央通信の報道と国連の発表によれば、8月26日現在、死亡454人、行方不明156人、負傷4351人にのぼり、24万余戸の住宅が全・半壊、浸水し、90万人あまりが被災する深刻な事態が発生している。

 また、全国の水田の20%、畑の15%以上が冠水、水没、流失し、100万トン以上の穀物の損失が予想されるばかりか、1000カ所あまりの工場、企業所が浸水などの被害を受け、多くの工場が生産化活動の中止を余儀なくされている。

 さらに、全国各地で道路、鉄道などのインフラが破壊、寸断されたばかりか、炭鉱、大型変電所も浸水するなど、被害が拡大している。

 私たちは、親族を含む多くの同胞が水害に見舞われ、住居を失い、苦痛を強いられている深刻な状況に胸を痛め、人道主義の精神と同胞愛に基づき「朝鮮水害復旧支援同胞募金運動総連中央対策委員会」を設け、全国的な募金運動を行っている。

 そして、募金運動を通じて1億2000万円を募り、被災者のための毛布4万枚あまりと食糧(即席カップ麺)50万食を日本で購入し、9月中旬にも本国朝鮮に送る計画を立てている。

 この計画を、本国に伝えたところ、支援物資輸送のための貨物船「チソン7」号(1000トン級)をただちに指定された日本の港に送るとの連絡を受けている。

 この緊急を要する支援物資を一日も早く被災民に届けるため、洪水被害対策委員会が送る貨物船の日本への入港を人道的見地から早急に認めるようここに要請する次第だ。

 私たちは、日本国政府が、崇高な人道主義の理念に基づいて、祖国の同胞の苦痛を少しでも和らげようとする私たちの切実な要請を受け入れていれるものと固く信じている。

2007年9月6日

朝鮮水害復旧支援同胞募金運動総連中央対策委員会 委員長 南昇祐

[朝鮮新報 2007.9.10]