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朝高生祖国訪問団に思う

 平壌常駐記者として活動した6月から8月の間、日本各地から訪れた朝高生徒祖国訪問団を取材した。日本のマスコミがたれ流すイメージとはかけ離れた祖国の姿を目に焼きつけ、祖国の人びとと実際に接しながら、日に日に朝鮮人としての誇りを感じ、民族心を育んでいく生徒たちの成長過程を見た。

 「進路問題で悩む3年生にとって、祖国訪問の道は在日朝鮮人として今後どう生きるべきかという問いに答えをくれるはず」と、ある朝高の校長先生。訪問を終えて、「初めて自分にも祖国があることを痛感した」「将来必ず祖国と同胞社会に貢献できる仕事につく」と生徒らは感想を述べていた。

 8年前、朝高3年生だった記者も、彼らと同じように初めて見る祖国に感動したことを思い出した。日本のマスコミの朝鮮バッシングに怒りを感じ、在日朝鮮人として、同胞や日本の市民に真実を伝えられる仕事に就きたいと、本社への入社を希望するようになった。

 今こうして記者となり、あの頃の想いが現実のものとなったと思うと、高校時代の祖国訪問の重要性をあらためて感じる。同時に、在日同胞と祖国を結ぶ「万景峰92」号の往来を遮断した日本当局の不当な措置に強い憤りを感じた。

 2学期が始まり卒業までわずか。これからも平坦な道ばかりではないが、祖国の地で誓った「同胞社会のため、祖国のために生きる」という想いを胸に、試練を乗り越え同胞社会を担っていく新しい時代の主役として立派に育ってほしい。8年前の自分と重ねつつ願った。(琴)

[朝鮮新報 2007.9.10]