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北海道 「第6回アンニョンフェスタ」 日ごろの成果を誇示

日本市民ら2600余人で大盛況

 総連北海道本部が主催する「第6回アンニョンフェスタ―ふれあいひろば」が9月9日、北海道朝鮮初中高級学校で行われた。朴鐘民道本部委員長をはじめとする総連支部委員長、各団体責任者らと活動家、札幌市・小沢正明副市長、札幌市議会・畑瀬幸二議長、北海道議会・岩本剛人議員、広田まゆみ議員、日朝連帯道民会議・小納谷幸一郎会長ほか、道議会議員、市議会議員、各団体人士らと日本市民、同胞、生徒ら2600余人が参加した。

処遇改善署名水害募金にも

特設舞台で披露された生徒らの公演

 雲ひとつない空の下、北海道初中高の正門前には開場1時間前から日本市民らが100メートルを超す行列をなし待っていた。

 フェスタは、北海道地域の日本市民らに朝鮮学校を開放し民族教育への理解を得るため、1998年から2年に一度ずつ行われてきた。

 この日、運動場に設置された特設舞台では華やかな朝鮮の伝統衣装をまとった生徒らの歌と踊り、吹奏楽が披露された。「衣装がきれいだね」「あんな幼い子たちが朝鮮語と日本語で歌うなんてすごいわ」「次回はいつ見られるの?」−このような会話が客席のいたるところで聞かれ、参加者らは舞台に向け惜しみない拍手を送った。

 当日、女性同盟のオモニらが漬けた1200岐路を超すキムチが販売され、札幌の総連分会と地方の総連支部で作ったトクポクキとチヂミ、ピビンパプをはじめ25種の飲食物を販売する売店も大盛況だった。なかでもオモニらによる手作りのキムチには、購入しようとフェスタ事務局に1カ月前から問い合わせがあったという。

 一方、北海道各地から収集された服、靴、食器、本、おもちゃなどが出展されたフリーマーケットは「とても質が良い」と反響も大きく、日本人主婦らでにぎわった。

大盛況だったポジャギ、民族衣装などの展示コーナー

 また、若いアボジらが準備したゲームコーナーも設置され、参加した多くの子どもたちが食い入っていた。

 体育館では兵庫県在住の在日同胞1世、李玉禮さんによる朝鮮人形とポジャギの展示、数十点の古典衣装と現代衣装の展示、試着、撮影もできるチマ・チョゴリ展が行われた。チマ・チョゴリの試着、撮影コーナーには約200人の参加者が詰めかけ、フェスタ終了後もその列が途切れることはなかった。

 このほか、会場には生徒らによる民族教育を紹介する資料が数多く展示された。授業写真や対外活動風景、また朝鮮学校に対する日本当局の不平等な処遇に対する説明が詳細に描かれた。

 会場を訪れた人々は展示物に見入りながら、オモニ会が実施しているスクールゾーンとセキュリティ装置設置などを求めた「日本当局の朝鮮学校に対する不平等な処遇改善を要求する署名」に参加し、その数は600人を超した。また、「祖国水害被害支援募金」にも数多くの日本人らが参加した。

フェスタ支えた同胞らの熱い思い

 3時間の間に2500人を超える参加者で、盛況のうちに終わったアンニョンフェスタ。フェスタには北海道で唯一の民族教育の場を守り、同胞子女らの教育環境をより良くしようという学父母と卒業生をはじめとする北海道同胞の思いがこもっている。

 行事の成功を祈る同胞らのなかには、3兄弟を初級部1年生から寄宿舎に送る学父母、車で5時間をかけて売店商品を持ち寄り、収益金すべてを寄付した同胞、仕事と家庭のことを後に回し、1カ月間行事成功のため奔走したオモニなどもいた。約400人の同胞、生徒らの情熱がいかんなく誇示されたフェスタだった。

 フェスタ終了後、チヂミ売店を運営していた女性同盟分会長は同胞らに感謝の意を込め手紙でこう綴った。

 「行事成功のためにみんなが心をひとつにしていたので、われわれもまだ捨てたものではないと感じました。気温も高くチヂミを焼くのも暑いし、手も腰も痛いけど、みんなで揃えた赤のTシャツが格好良かったし、おでこに流れた汗はまぶしかった。行事は数多くの日本人の方々にわれわれへの理解を得る絶好の場となりました。私個人としては、朝鮮人として胸を張って自由に主張できる唯一の場は、このような場であると実感しました。それとともに、われわれの分会の一員として本当に良かったと感じることができました。本当にお疲れさまでした」

 「第6回アンニョンフェスタ」の成功は、対外事業での成果とともに、学校を中心とした北海道同胞社会の一端が垣間見えるという贈り物を与えてくれた。【北海道支局】

[朝鮮新報 2007.10.1]