top_rogo.gif (16396 bytes)

日本当局の不当な制裁延長を糾弾 総連中央常任委員会声明

 日本政府は9日午前の閣議で、「万景峰92」号など朝鮮船舶の全面入港禁止、朝鮮からの全品目の輸入禁止、朝鮮国籍保有者の入国禁止、朝鮮最高人民会議代議員である朝鮮総連幹部の再入国禁止などの制裁措置を再度半年間延長することを決定した。

 朝鮮総連は、6者会談の合意が示す北東アジアの平和と安全の流れに逆行し、朝・日関係をさらに悪化させるばかりか、在日朝鮮人の人権を著しく侵害し朝鮮総連に対する政治的弾圧の背景になっている制裁措置の延長に断固抗議し、糾弾する。

 この一年間、制裁措置から得られたものはなにもなく、朝・日間の対話の道すら閉ざされ何の前進もなかったことは周知の事実である。

 この制裁措置が朝鮮と在日朝鮮人に対する敵対意識を助長し、両国の関係改善を阻んでいる。

 制裁措置により在日朝鮮人に対する迫害と排他の雰囲気が助長される中で、基本的人権が蹂躙され、同胞生活が深刻な脅威にさらされてきた。

 「万景峰92」号の入港が禁止されることにより、高齢の同胞をはじめとする多くの在日同胞が祖国往来と肉親との再会を阻まれ、民族学校にかよう生徒の修学旅行にも大きな支障をきたしている。また朝鮮総連幹部と在日朝鮮人の再入国が規制されているばかりか、朝鮮の文化芸術家、体育人をはじめとする各種代表団の入国が一切禁止される、非人道的で国際慣例を無視した行為がなされている。そして、朝鮮との貿易、合弁事業も全面的に制限され、在日朝鮮人企業家の経済活動に深刻な影響を及ぼしている。

 昨年制裁措置が実施された後、前政権のもとで朝鮮総連に対する類例を見ない政治的弾圧と在日朝鮮人に対する反人道的な差別と迫害が集中的に行われたことは周知の事実である。

 このたび、日本政府が両国の関係改善を阻み、朝鮮総連と在日朝鮮人に対する弾圧、人権侵害と迫害をもたらしている制裁措置を再度延長したことは許しがたい暴挙と言わざるをえない。

 周知のように昨今朝・米間の対話が進み、6者会談の合意文書では核施設無能力化と「テロ支援国家」規定の解除が同時行動の原則で行われることを示している。

 さらに、先にウランバートルで開かれた朝・日間の6者会談作業部会で、協議を続けるための環境を整えるようにしたにもかかわらず、それを否定する制裁措置の延長を強行したことは重大な背信行為であり、誰が朝・日間の対話を妨げているかを如実に示している。

 日本政府が行った制裁措置の再延長は、朝・日関係の改善と朝鮮半島と北東アジアの平和を望む両国人民をはじめ、国際世論と時代の流れに逆行する愚かな行為である。

 またそれは、過去の清算と在日朝鮮人の地位改善をうたった朝・日平壌宣言の精神に反し、在日同胞の基本的人権を踏みにじる非人道的な措置である。

 われわれは日本政府が平和と安全、人権と倫理に反する不当な制裁措置を直ちに撤回することを強く要求する。

2007年10月9日

[朝鮮新報 2007.10.12]