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首脳対面に思う

 7年ぶりに実現した北南首脳対面。双方の最高指導者が胸襟を開いて関係発展と平和・繁栄について話し合う姿に、過去取材した北南関係の現場が頭に浮かんで、感慨を禁じえなかった。

 テレビの衛星放送とインターネット速報を交互に目で追いつつ、電話で現地記者と連絡を取り合う3日間。刻一刻と入ってくるニュースに対応しながら、時代が大きく変化しつつある様を実感した。

 米軍が南半分を管理している軍事境界線を南の最高統帥権者である盧武鉉大統領が徒歩で越えた。朝鮮戦争の終戦宣言について話し合う多者会談の開催を、北南間で合意した。平壌で起こったことをリアルタイムで知ることができたのも、北と南がインターネットで直接つながったからだ。

 「互いを尊重し、力を合わせれば、難しい問題も解決できる」

 「わが民族同士」の理念も、つきつめて考えればこの単純な結論に落ち着くのだと、あらためて思う。前回の首脳対面が「6.15」を生んだとするならば、今回は「6.15」の力を北と南の首脳自らが身をもって示したと言えるのではないだろうか。

 今回発表された「宣言」の中で、海外同胞問題に言及した第8項が気になった。先日、北南首脳対面を祝うある団体の集会を取材したが、そこでも第8項が話題に上った。

 激動の朝鮮半島情勢と北南関係の発展に、海外同胞はいかにコミットすべきなのか。宣言に込められた意味を読み解くことが今後の課題だ。(相)

[朝鮮新報 2007.10.22]