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「在日朝鮮人歴史・人権週間」開幕 強制連行犠牲者の遺骨問題

「本貫」同じだけで返還の可能性も

 朝鮮人強制連行真相調査団をはじめとした平和団体、市民団体が共催する「在日朝鮮人歴史・人権週間」が3日、山口県宇部市での全国集会を皮切りに開幕した(〜17日)。日本人と在日朝鮮人が共に在日朝鮮人の過去の歴史と現在の人権状況を考えようと企画。今年のテーマは@1905年「乙巳5条約」、A強制連行犠牲者の遺骨問題、B在日朝鮮人に対する日本政府の抑圧政策などだ。

 開幕とともに遺骨問題に関する新事実が判明。朝鮮人強制連行真相調査団朝鮮人側中央本部の洪祥進事務局長が全国集会で報告した。

 それによると、南朝鮮政府は、朝鮮半島出身の強制連行犠牲者らの遺骨返還問題で、遺族を捜す際に出身地を問わず「縁故者」として「本貫を同じくする者」も含めていたことが明らかになった。「韓国政府による遺骨の縁故者調査方法について」と題された日本外務省の外交文書に記されていた。極秘とされており、年月日は不明。1966年頃と推測されている。

 これに対する日本政府の対応について文書には、「縁故者の認定などは韓国内の問題につき、日本政府は責任を負わない」と記されている。

 南朝鮮政府は55年頃から日本政府と遺骨返還の交渉を行い、「出身地の如何に関わらず」一括返還を求めていた。現在、南には数千人の無縁故者の遺骨が天安市の国立公園墓地「望郷の丘」など各所に埋葬されており、この中に朝鮮半島北部出身者の遺骨が含まれている可能性がいっそう高まった。

 さらに、「一括返還」が困難となってからは、無縁故者の遺骨を日本国内に埋葬するよう日本政府に要請していたことも明らかになった。66年2月21日付の外交文書で判明した。

 これまで日本政府は、北部出身者の遺骨の遺族探しや返還を行っていない。また近年、南朝鮮と日本の両政府は、日本政府の委託で祐天寺(東京都目黒区)に安置されている旧軍人、軍属らの遺骨の返還について協議してきたが、北部出身者については放置している。

 祐天寺の遺骨問題では、厚生省(当時)が遺骨とともに祐天寺に預けた遺骨名簿のなかに南に生存する7人の名前が含まれていることが1月に明らかになっている。そのうちの一人が3月に厚生労働省を訪ねたが、事前に連絡したにも関わらず同省は門前払い。担当者は面会を拒否した。これにより返還作業が一時停滞していたが、水面下で交渉が行われ年内に100人分の遺骨が返還される見通しがたった。(鎬)

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[朝鮮新報 2007.11.5]