京都・耳塚で慰霊の集い 総連、民団が初めて共同で |
「誠信の交わり」の精神で、平和のための交流を 豊臣秀吉が朝鮮を侵略(壬辰倭乱、1592年〜98年)した際、朝鮮人らの耳や鼻を切り落として持ち帰り埋めた京都市東山区の耳塚で6日、「日本・朝鮮半島 平和・友好・親善を祈願する耳塚(鼻塚)共同慰霊の集い」が開かれた(写真)。総連、民団の両府本部と京都市国際交流協会の三者で取り組むコリアンサロン「メアリ」の主催のもと、朝鮮通信使来日400周年記念事業の一環として行われた。関係者ら約50人が参列。平和と友好親善に向け交流を深めることを誓い合った。 集いでは参列者らが黙とう、焼香し、総連府本部の金学福委員長、民団府本部の金有作団長、国際交流会館の高木壽一館長があいさつした。金委員長は、「北南関係が相互尊重と信頼へと転換し、統一実現に向け具体的な行動がとられる中、朝鮮通信使が培った『誠信の交わり』の理念に倣い、平和と友好を築こう」などと述べた。 一方、京都朝鮮歌舞団は、壬辰倭乱の際、朝鮮人が国を守ろうと士気を高めるために行った儀式に由来する舞踊「強羌水越来」を披露。朝青府本部の禹載明委員長と民団青年会の朴善貴会長が「平和・友好・親善のメッセージ」を読み上げた。 参列した上田正昭・京都大学名誉教授は「イデオロギーや国境を越え、南北が一つになり行政を交えて合同慰霊祭を行うのは初めてのことで意義深い。一過性ではなく、互いにこだまし合って平和の誓いの場にしてほしい」と述べた。 「メアリ」は3〜11日にかけ京都市国際交流会館で、朝鮮通信使に関するパネル展や市内の民族学校、民族学級の生徒たちが平和や友好への願いを込めて描いた作品の絵画展を開いた。8日にはシンポジウム「朝鮮通信使に学ぶ」が行われた。(鎬) [朝鮮新報 2007.11.16] |