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朝鮮文化とふれあうつどい 西東京、チマ友が主催

友好築く「真剣」な「ふれあい」

 第9回「朝鮮文化とふれあうつどい」が18日、東京都府中市の府中公園で行われた。「チマ・チョゴリ友の会(チマ友)」が主催した。会場入口に掲げられた手書きの横断幕−「チマチョゴリの子どもたちへの差別と迫害を許さない」の下、ところ狭しと各種売店が並び、フリーマーケットなどが開かれた。出店数は200を超えた。

 2年ぶりの晴天に恵まれたこともあり、多くの来場者でにぎわった。開会主旨は「在日朝鮮・韓国の人々への差別と迫害を許さず、人間としての良心を失わないために」。参加者のほとんどは日本人だった。「5000人は集まった」と関係者は喜びを語っていた。

ウキウキ、楽しく

「ナグネの会」による農楽の演奏。手を取り合い踊り出す観客たち

 チマ友は、朝鮮学校生徒への暴行事件をきっかけに99年に活動を開始、おもに西東京にある朝鮮学校への支援を展開している。

 この日の「つどい」にチマ友は、9つの「ふれあい」を用意。そのひとつが「朝鮮民族の歌と踊り」だ。湖南道農楽グループ「ナグネの会」がオープニングを務めた。

 華麗な農楽の演奏が始まると、思わず足を止めた観客で人だかりができた。焼肉をほお張りながら観覧する人もいる。演奏が盛り上がるにつれ、最初はアゴでリズムを取っていた観客たちが、手を取り合い輪になって踊りだす姿に、ここがどこだかわからなくなる。そのほとんどが日本の市民だということが驚きだ。

 「ウキウキ、楽しく、場がひとつになれたらいい。つなぎの役割ができたらうれしい」と「ナグネの会」関係者は話す。「日朝で共にチャンゴを叩こう」がモットー。「音楽を通して根っこでつながることのすばらしさを伝えていきたい」と感想を語った。

 続いてステージには西東京朝鮮第1初中級学校の生徒たちが登場、民族の歌と踊りを披露し、観客を楽しませた。テコンドーの演武、電通三多摩合唱団の合唱、朝鮮大学校軽音楽団の演奏なども行われた。

 このほかにもチマ・チョゴリ試着、写真撮影コーナー、在日コリアンQ&A、お楽しみ抽選会など「ふれあい」は尽きることがなかった。

100円のわたあめ

各種フリーマーケットが開かれたほか文化公演も行われた

 当初、200円で販売を予定していた「わたあめ」。ところが最初に並んだ子どもがにぎっていたのは100円玉一枚だった。急きょ、手書きで値段を書き換え、100円での販売に踏み切ることにした「八王子青商会」。商品は、ふわふわのわたあめであり、「ふれあい」というやさしさだった。

 同胞たちも、多くの「ふれあい」を積極的に応援した。西東京南部、中部、東部、西部、八王子の各青商会、女性同盟南部支部、西東京第1初中オモニ会、アボジ会などが思い思いの売店を出店、売り切れごめんの売店には長蛇の列ができ上がった。専門店に並ぶような朝鮮料理とは一味違う「同胞の味」に来場者は舌鼓を打っていた。

 「買えるの?」

 「残念ながら非売品です。実際に生徒たちが使っているものですから」−

 これは朝鮮学校で使われている教科書の展示しているブースでの一幕。

 担当教員は「とても反響が大きい。知り合うことで友好は深まっていくはずだ」と述べていた。

 関係者が「今までにない最高のできだった」と成功をかみ締める中、チマ友の松野哲二代表は「ふれあい」の「浸透」を確信していた。今年は電話でのいやがらせや、妨害がなかったのだ。

 「『真剣』さが伝わったのだと思う。『みながやれないことをやる』この気持ちを大切にしたい」と松野代表は言う。

 この日、互いの「健闘」を称え合うかのように朝・日の関係者による打ち上げは遅くまで続いた。心地よい疲れもピークに達し、別れを惜しむ面々が交わす固い握手。溢れんばかりの笑顔に朝・日友好の「真剣」さを感じた。(丘)

[朝鮮新報 2007.11.26]