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遺骨の真相論議

 朝・日関係の膠着状態が続く中、その原因のひとつとなっている横田めぐみさんの遺骨問題が最近クローズアップされている。

 先月初め、日曜のテレビ番組で取り扱われ、鑑定者本人が「鑑定は断定的なものとはいえない」と語ったと明かした英国の科学雑誌「ネイチャー」の記事を引用しながら、第3者による鑑定の必要性が語られた。これは、以前から朝鮮側が主張してきたことで新しい提案ではないが、タブーとなっていたこの問題の真相に迫ろうとする試みが公共性の高いのテレビ番組で語られた意味は小さくないだろう。ひとつの「変化」と言える。

 また、遺骨問題における経緯と経過を考察する論文(本紙12月7日号から連載)が発表され、雑誌「世界」12月号でも特集が組まれるなど、論議が活発化している。

 11月末、日朝国交促進国民協会事務局長の和田春樹東京大学名誉教授が都内で「拉致問題再考」とのタイトルで講演した。横田めぐみさんが朝鮮で精神病にかかった経緯とその後の生活を具体的に考察しながら、彼女の生存は絶望的ではないか、との結論を出した。そして、拉致被害者全員の帰還を求める日本政府の主張に疑問を投げかけた。

 また、日本政府の対応について「拉致問題の解決なくして国交正常化はなし」から、「正常化の早期実現をめざす中で諸問題に取り組む」へ移行することを主張した。講演では、6者の中で日本だけが孤立することに対する憂慮、日本政府の無策に対する不満が感じ取れた。(姜)

[朝鮮新報 2007.12.17]