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同胞による同胞の介護 ホームヘルパー2級への道 −7−

「食事」「入浴」と並ぶ最重要場面

排泄には気持ちよい対応を

 排泄とは、体の中に溜まった不用物を外に出すことである。

 「食事」「入浴」と並び、最重要とされる場面だ。それだけにポイントが多い。

 「排泄の介護」と「緊急時の対応」について学んだ(各3時間)。

 排泄の介護を行う時の注意点は、@相手に精神的負担を与えるような言動をしないA尿意や便意の訴えがあった場合、気持ちよく対応するB羞恥心を感じさせないように手際よく介助し、不必要な露出はさけるC身体状況にあった排泄方法をとるD腹圧がかかりやすい体位にするE自立できるように、必要以上の介助はしない−ことが挙げられる。また、転倒などの危険に備える必要もある。

 演習は、オープンタイプのパッド併用パンツを使って行われた。

 実習生は、恐るおそる「おむつ」を手にする者と、「最近のは軽くて薄いな」と話し合う者に分かれた。子を持つ者は強い、という訳だろうか。

 「おむつ談義」に花が咲いた。中でも、実習生の応援に訪れた総連東京都本部の金東石副委員長が「おむつ博士」ぶりを披露。講師陣に混ざって「正しいはかせ方」を指導していた。

 パッド併用パンツを実際にはいてみる。正直、気持ちいいものではない。

 「利用者の状況がよくわかるでしょう。いかに素早く、こまめに取り替えることが重要か知っておかなければなりません」と講師は諭すように話した。

 「緊急時の対応」で優先すべきは、「脈」「体温」「血圧」「意識」「呼吸」の確認だ。それぞれ頭文字を取って「み、た、け、い、こ」と唱えれば覚えやすい。

 生活状況、身体状況、救急箱の所在、主治医と家族などの連絡先の確認は事前に済ませておくようにする必要がある。

 (次回は、「レクリエーション体験学習」と「訪問介護計画について」。レクリエーションで疲れた心身を癒し、活力を復活させよう。なお、次回連載は来年の1月21日号まで持ち越し。良いお年を。)

(鄭尚丘記者)

ワンポイントレッスン 講師からのメッセージ

 緊急時の対応法も心得ておきましょう。実際に倒れている人がいたらどうすればよいか? まず、無作為に動かすことは禁物です。出血の有無、手足の位置、顔色、呼吸などの確認を急ぎましょう。唇が紫色に変わっていたら、異物が詰まっていることが考えられます。止血は心臓に近い位置で行います。ともあれ、冷静な対応は容易ではありません。各自治体や専門機関などで講習を受けることができます。積極的に参加してみるといいでしょう。(阿部百合子・介護福祉士、ケアマネージャー)

[朝鮮新報 2007.12.21]