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初級部社会教科書を翻訳出版 愛知県教育会

「教育内容に理解を」

出版された社会科教科書

 朝鮮学校の教育内容を多くの日本人にも知ってもらおうと、愛知県教育会が2003年に改編された初級部4〜6年の社会科の教科書を日本語に翻訳出版した。

 朝鮮学校の教科書を翻訳、公開するのは初めて。

 朝鮮学校元教員が中心となり、10月から4年生の地理の一部、5年生の歴史、6年生の日本の政治、経済、文化の全文を翻訳し、2000部ずつ計6000部を印刷した。

 このうち、5年生の歴史教科書は、「わたしたちの朝鮮」と「日本の歴史」の2部構成。

 朝鮮民主主義人民共和国の項には20ページを割き、国歌や国旗の由来を詳しく解説している。また、「強盛大国建設に力強く奮い立っている」と紹介し、「強盛大国とは、この世にうらやむものがないほど、よい生活ができる国」と説明している。

 南朝鮮についての記述もある。「大韓民国と呼ばれている」との記述もあり、ここでは経済発展について触れる一方、在「韓」米軍について「撤兵することを要求する声が高まっている」と記述している。

 00年6月の北南首脳会談は、金正日総書記と金大中大統領の写真と共に紹介し、統一への意義を強調している。

 日本史は、第2次世界大戦終結までを収めている。

 翻訳資料は昨年12月12日、名古屋国際センター(名古屋市中村区)で開かれた「多民族共生教育フォーラム2006愛知」などで販売された。

 翻訳教科書を見た日本の人たちは「これまで朝鮮語がわからないので、展示されていても内容を知ることができなかったが、これでわかるようになった」「学校側が教科書を日本語に翻訳したのは画期的なこと」と語り、「厳しい状況に直面している同胞と日本の友人たちに勇気を与えてくれるもの」などと話した。

 文光喜理事長は、「教科書は自治体にも配布し、助成金増額の理解を求めたい。内容について、率直な意見をいただきたい」と話している。

 翻訳資料は3冊1セットで1000円(10セット以上は送料無料)。

 問い合わせ=愛知朝鮮学園(TEL 0562・97・1815)。

[朝鮮新報 2007.1.26]