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豊橋初級学芸会&バザー 60年の誇りを胸に新たな一歩

「血と汗と涙で守り抜いたハッキョ」

見事なマジックを見せてくれた「ちびっこマジシャン」たち(3年生による「ぼくらのマジックショー」)

 豊橋朝鮮初級学校(愛知県豊橋市)の学芸会&バザーが4日、同校で行われ、学父母や卒業生、近隣の日本市民ら200余人が駆けつけた。幼稚班の園児6人を含む33人の児童が舞台にあがり、流ちょうなウリマルで才談や演劇、舞踊などを披露した。

 低学年が演じた朝鮮の童話を題材にした演劇「フンブとノルブ」では、心優しい弟の「フンブ」役やケチで悪い性格の兄「ノルブ」役など、登場人物が絵本から飛び出したような表情豊かな名演技を見せ会場をわかせた。

子どもたちの元気いっぱいの舞台に目頭を熱くしながら声援を送る学父母たち

 3年生の手品「ぼくらのマジックショー」ではリズミカルに手品を披露、プロも顔負けのマジシャンを演じた。このほか、幼稚班児童の唐辛子や大根、ほうれん草などの姿に扮した園児たちが体を洗うためお風呂に入りそれぞれがきれいな色に変わって最後にはピビンバが完成する演劇「野菜畑で」や、2年生による木琴重奏「オンヘヤ」や高学年による「サムルノリ」など計12演目が舞台に上がった。

 児童らは学校生活で培ってきた語学力や民族心、芸術技量を惜しみなく発揮した。8人の教員たちによる日頃の努力をうかがわせる演出、舞台セットなども客席を楽しませていた。

「いい湯加減だった〜」。熱い鍋から体を洗って出てきてまっ赤に変わった唐辛子(幼稚班による「野菜畑で」)

 一方、同校を訪問した南の児童らも学芸会を観覧、友情出演し「生まれた故郷は違うけれど生きていく故郷は一つ」と統一を願う心をうたった「ハナエ コヒャン(一つの故郷)」を歌いエールを送った。

 また学芸会の場を借りて、朝青愛知県本部が行った「I LOVE ウリ ハッキョ! マグカップFOR YOU!」学校サラン運動での収益金で購入したバスケットボールのゴールや体育マットなど学校機材の寄贈式が行われた。

 この日、教室の一室ではオモニ会によるバザーなどが行われた。とくにピビンバやチヂミ、キムチやチャンジャなどの朝鮮料理の販売は近隣の日本市民たちから大好評を得た。

 食堂として準備された教室では、朝・日の来客らが交流を深め、おいしい料理を頬張りながら楽しいひと時を過ごした。

児童と教員、同胞が一つの家族

アボジたちには「トンセン」のように、オモニたちには「オッパ」、子どもたちには「写真アジョシ」と呼ばれ親しまれる安さん(写真前列中央)

 一方、各階の廊下には南朝鮮の映像ジャーナリストである安海龍さんによる写真展「アイドゥラ イゴシ ウリハッキョだ(子どもたちよ、これがウリハッキョだ)」が催された。

 日帝時代の強制労働などによる在日朝鮮人被害者や、南朝鮮の米軍基地問題などをテーマに世界に告発する活動をしている安さんは2004年から3年間、同校に通い同胞のコミュティーの場としての豊橋朝鮮初級学校をフィルムとビデオに収めてきた。

 写真には学校生活を楽しむ児童たちの朗らかな姿や真心込もる教員の活動ぶり、同胞たちの笑顔が写し出されている。

 安さんは「朝鮮学校を中心に同胞社会があり同胞社会が学校を支えている。豊橋の同胞にとって学校は同胞社会そのもの。小さい学校ではあるが同胞と教員、児童たち全員が一つの家族。同校に3年間通い続けた私にとっても本当の家族のようだ。撮り始めたころまだ幼稚園児だった児童が今は初級部に入りウリマルを流ちょうに話すようになった。そんな児童の成長過程を見ている私自身が親になった気分。南にいる自分の息子と重なる」とはにかみながら語った。

 安さんは今では児童から「写真アジョシ(おじさん)」、オモニたちからは「オッパ」と呼ばれ親しまれている。

3世代の時間が一つに凝縮される

元気いっぱいの子どもたちの写真に笑みをこぼす観覧者ら

 今回の展示会は安さんの写真だけではなく、同校の60年の歴史が刻まれた写真と、児童らが宿題の一環として家族のアルバムから学校にまつわる写真や父母が在学していた頃の写真を探し出し、さまざまなエピソードや歴史を調査し説明文をつけ現在の写真と一緒に2枚を提出。安さんがその写真を拡大し3世代にわたる時間が一つに凝縮された写真展になった。

 児童らは作業過程で同胞たちが血と汗と涙で守り抜いてきた学校の歩んできた歴史や自分のルーツを見つけることができた。

 写真展を観覧した卒業生や同胞らはカリマのオモニに負ぶさっている幼い自分や、今は皺だらけのハラボジの若いころの写真、古い校舎で凛々しく行進する運動会の写真などを見つけ笑い涙した。

 写真展は題名通り「これがウリハッキョだ」を示す、すばらしいものとなった。

今後もコミュニティーの場として

「オモニ会のキムチをいつも食卓に」−キムチや朝鮮料理の販売コーナーには月2度の学校販売に足を運ぶ常連の日本市民の姿が多く見られた

 「児童数は少ないがその分、教員たちの思いや情熱が一人ひとりに伝わって学力や精神面でもすくすく育っている。学校を中心に同胞社会があり、同胞も学校も一つの家族。それがなによりの誇り」

 こう話す朴春明豊橋地域商工会会長(59)は「学芸会で流ちょうなウリマルで演劇をし、歌を歌い踊る生徒たちを見るとこちらもがんばらなければという気になる」と感想を述べた。

 日頃から交流のある市内のブラジル人学校講師と共に訪れたパジェット・ブライアンさん(34)は「とてもすばらしい舞台だった。言葉はわからなかったが心に響くものがあった。自分の国の文化を学ぶことはとても大切なこと。今まで朝鮮文化を知らなかったが今日は勉強になった。来て良かった」と笑顔で語った。

アボジも子どももオモニのお手伝い(オモニ会によるたこ焼き販売)

 李剛志くん(5年)は「学芸会は練習よりうまくできてうれしかった。演目が終わるたびに大勢の拍手をもらいとてもうれしかった」、写真展について金栄吾くん(6年)は「アボジの学生時代の写真を探したらとても自分に似ていてびっくりした」とそれぞれ感想を述べた。

 尹光信校長(50)は「今日は多くの同胞と日本の友人たちそして外国人学校の教員らも来校した。みな口をそろえて民族教育はすばらしいと感想を述べていた。学校は同胞の集まる場所。同胞と共に活気あふれる雰囲気で昨年迎えた60周年。団結した力でこの先も新たな一歩を刻んでいきたい。これからも門戸を開いて同胞のコミュニティーの場として、また、豊橋市の一員として日本学校との交流などを深め、多くの方の理解を得ていきたい」と語った。(文、写真ともに盧琴順記者)

[朝鮮新報 2007.2.19]