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尼崎東初級幼稚園でオンマたちの手作り人形劇

 さる3月10日、尼崎東朝鮮初級学校で、幼稚園オンマたちによる人形劇「ホランイ チド」が開催された。当初「卒園する園児たちへのプレゼント」にと準備されていたが、練習を重ねるうちに「もっと多くの子どもたちにみてもらおう」との意見があり、実現にいたった。

 脚本から演出、音響、チラシ、大小道具にいたるまで、全てオンマたちの手作り。心のこもった作品を園児以外の子どもたちにも伝えたいとの思いが通じたのか、当日は園児たちはもちろん、在学する低学年児童から就学前児童とオンマたちの「ポッチクラブ」のメンバーなどが会場を訪れた。また、遠路はるばる「参考にしたい」と参加した他校のオンマたちの姿もあった。

オンマたちの手作りの人形たち

 「親子で楽しめる人形劇をぜひ作りたい」との脚本家の意見にみな同意し、オンマたち全員に役割分担が課せられ始まった練習での一番の問題は、人形そのものを作ることだった。人形作り担当者は何日も寝ずに作業し、あげくのはてにはナンピョン(夫)から「今日は早く寝ろ!」と言われるくらいに、愛しいわが子を愛でるように、一針一針心をこめて作り上げた。

 ホランイがオンマになりすます幕間の短い時間に数秒でチョゴリを着せられるよう工夫されていたり、練習過程を見て何か物足りなさを感じると、次の練習日には衣装や風景に変化があったりと、一人ひとりが常に人形劇のことを考え、時には演出家以上の演出家になって、どんどんデコレーションされていった。

 演じ終わったオンマたちは、ひとつのことを成し遂げたという感動の涙を流した。はじまりは「子どもたちのために」だった人形劇が、オンマたちの持つ力、すばらしい輪と和、そして何よりも絆を深めた人形劇となった。

 劇中のセリフはほとんどが日本語だったが、ふだん園児たちが生活の中で耳にしているウリマル(朝鮮語)を台詞に取り入れたり、留守番をしている兄弟がゲームの取り合いをしたりと、朝鮮民話風に描かれている物語の中に日常生活での出来事を取り入れたので、園児たちも劇中の人形と自分とを重ねていたようだった。

 そして子どものために、ハッキョ(学校)のためにがんばるオンマたちの姿は、これから幼稚園入園を控えるオンマ、どうしようかと悩んでるオンマ、夫婦の意見が合わずに悩んでいるオンマなど、さまざまな事情を抱えているオンマたちの心にもきっと響いたことだろう。

 4月から入園を控えているパク・ミソンさんは、「全てが手作りということに驚きを隠せなかった。こんなに温かい気持ちを持ったオンマたちの仲間になれると思うと、入園後が楽しみ。子どもたちにもわかりやすく、親子で楽しめた劇だった」と幼稚園責任者の最後のあいさつに同じく目頭が熱くなったと語った。

 3月3日のデモ行進終了後、くたくたになった体で学校に出てきて練習した日、いつも差し入れを持ってきては応援してくれた女性同盟とそのほかのたくさんの支援、そして何よりもたくさん愛情のこもった「人形たち」はこれからも子どもたちのために、ハッキョのために、メッセージを送る役割を果たして行くことだろう。(尼崎東初級幼稚園役員)

[朝鮮新報 2007.4.7]