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神奈川中高 「科学フェスティバル07」 朝高生が実験、初級部生が体験

「理科っておもしろい!」

−200℃の世界ではお花もパリパリに

 科学の実験を通して理科の楽しみを見つけようと20日、神奈川県横浜市の神奈川朝鮮中高級学校高級部理数コース(高2、高3)の生徒たちが、神奈川県下3つの朝鮮初級学校(横浜、川崎、南武)の児童らを対象に「やってみよう! 知ってみよう! 体験しよう! 科学フェスティバル2007」を開催した。イベントには児童ら124人を含む教員、学父母など約180人が参加。同校理数コースの生徒18人と朝鮮大学校(東京都小平市)教育学部教育学科理科教育専攻コースの学生4人が約30種類の実験を行い、会場は大いににぎわった。

楽しい実験

「水蒸気に火がつくかな?」

 会場となった講堂には、「−200℃の世界を体験してみよう!」「音を目で見てみよう!」「雪と氷の不思議な世界」「あなたは電気博士」「果物と野菜から電気が発電」「不思議な光の世界をのぞいてみよう」「爆発、爆発、大爆発!」「イチローもびっくり! Xザイロ」(朝大)、「世界最小の手作りラジオ」(朝大)の9つのコーナーが設けられた。

 「−200℃の世界」体験コーナーでは、液体窒素を使って−200℃で物体がどのように変化するかを観察した。発泡スチロールの箱の中には液体窒素。朝高生がそこにバラの花を数秒つけて取り出し、花びらを手で握るとパリパリパリ…。児童たちは「おぉーっ!」と驚きの声を上げた。同じようにバナナを入れて取り出し、児童に触らせると、「硬ーい!!」「冷たーい!」。カチカチに凍ったバナナをテーブルに打ちつけて、まるで釘でも打つかのようにカンカンカン…と音を立てていた。

大きなマイクに声を吹き込んで音の形を見る

 次はふくらませた風船。液体窒素の箱に入れた風船は見る見るうちに縮んでいく。「触ってごらん」と朝高生。風船を触った児童らは、「パリパリ!」「冷たい!」などと驚いた様子。縮んだ風船は、箱から出すと次第に元の姿に戻っていく。最後はマシュマロ。竹串に刺したマシュマロをケースに入れて取り出し、見物していた児童全員に手渡した。朴奈美さん(横浜、初5)は、「ふつうのマシュマロとちがって、ふにゃふにゃしてないところがおもしろい。冷たくてかたい」とニッコリ。

 一方、「音を目で見てみよう!」のコーナーでは、マイクを通してパソコンに取り込んだ音声をスクリーンに映し出し、一人ひとり異なる「音の波」に児童らの目が輝いていた。高い声、低い声、大きな声、小さな声…。いろんな声を出してみて、児童たちはそれぞれの「形」を確認していた。

定例化望む

爆発にみんなびっくり!

「あら不思議。氷の中で絵が浮かび上がるよ」

 科学フェスティバル生徒責任者の金顕洙さん(高3)は、「この間、部活や運動会の練習、そして高3は進学の準備がある中、時間を割いて準備してきた。イベントを主催する僕ら自身もたくさんの発見があり、学ぶことが多かった。今日は子どもたちがとても喜んでくれたので、このようなイベントをこれからも定例化していきたい」と話した。

 イベントの陰の立役者である神奈川朝高・金燦旭教務部長は、「生徒たちはイベントの準備に6月から取り組んできた。イベントは生徒たちの学習意欲を高める効果もあり、幼い子どもたちに理科の楽しさを伝えるための努力が、生徒たち自身の自然科学への興味にもつながった。この間、授業に臨む姿勢も見違えるほど良くなった。今後は同胞たちをも巻き込んで、科学を通して児童や卒業生、同胞たちとつながり、生徒たちの学習意欲を社会とのつながりの中で実践的に伸ばしていきたい」と語った。

 イベントの最後は全員参加型の大型実験、バンデグラフ(静電気を発生する起電機)をつかって20万ボルトの世界を体験した。「3、2、1!」の合図に従ってみんなで大きな輪になって手をつなぐと「ワァー!!」という歓声が会場いっぱいに響いた。一瞬にして100人を超す参加者たちが「感電」したのだ。児童たちからは「もう一回、もう一回!」のアンコール。同様に、「空まで上がる泡柱」「爆発! 爆発! これこそ正に大、大、大爆発!」も大盛況。イベントは惜しまれながら、再開を約束して幕を下ろした。(金潤順記者)

参加者たちの反響 空まで上がる泡柱

[朝鮮新報 2007.10.26]