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小論文コンクールで優秀賞 神戸朝高3年の李舜志さん

 神戸朝鮮高級学校の李舜志さん(3年)が、「NRI学生小論文コンテスト2007 変わりゆく世界、進みゆく日本」で優秀賞を授与された。同コンクールは野村総合研究所が主催したもので、昨年に続き2回目となる今回のコンクールには151編の論文が応募された。9月23日に行われた表彰式で、李舜志さんの小論文「2010年日本はハイブリッドな社会の入り口に立つ」は、「最優秀賞に並ぶ力作。着眼点と展開の斬新さに感心した」と高い評価を受けた。李舜志さんは、他の受賞者らと共に表彰状と副賞を授与された(写真=前列右から2番目が李舜志さん)。小論文の要旨を紹介する。

 私は神戸で生まれ育った在日コリアン3世だ。

 幼稚園から高校の卒業を目前にした今日まで朝鮮学校に通っている。

 学校の中はオールコリアンであるが、駅や電車の中、それに私の住む町のあちらこちらでは、日本語でない言葉が当然のように聞こえてくる。

 須磨から乗車するインターナショナルスクールの生徒たちは英語を使い、近所の保育園のお迎えにきたお母さんたちはベトナム語でおしゃべりをする。量販店ではポルトガル語で品定めをする親子がカートを押している。大きな声で携帯電話をかけている若者は中国語だろう。それは神戸という国際色豊かな街だからということだろうが、こういう環境に慣れている私から見てもあきらかに外国人の数は増加していると実感できる。コンビニでレジを打つ店員の名札があきらかにアジア系の外国人名であることにはもう慣れっこになって、ついついこちらがゆっくりと日本語をしゃべっている。

 年々増加する外国人、少子超高齢化に悩む日本。ここに新しい接点は生まれないだろうか。

 しかし、日本は世界的にも珍しい「単一民族国家」であり、みんなが同じであることを何よりも優先し、それがすべての前提になっている国である。

 新聞には、ヨーロッパの国々ではいかに移民問題で困っているかというような記事が載り、外国人犯罪という言葉がマスコミで当たり前のように流されている。

 人手不足の最たるものである看護師と介護士をタイやフィリピンから受け入れるというニュースを本当に日本人は諸手をあげて歓迎していると言えるであろうか。

 2003年にフランスで起きた移民子孫の若者たちの暴動を見て、日本でも同じような事態が起きる可能性を誰が否定できるというのだろうか。

 ここにはいわゆる欧米の先進国式の思考である「単純労働」=「外国人労働者」という図式がある。

 このような古い図式の外国人労働者受け入れではなく、新しいかたちである、異質な文化を持った人間がお互いを尊重し助け合える社会、すなわちハイブリッドな社会に日本が世界に先駆けて名乗りをあげるべきだと私は考える。

 そのためにも、外国人受け入れに関しての法整備と国民的合意を次の視点から進めていけばどうだろうか。

 @留学生受け入れ200万人計画(10年間で)A市民権の導入B日本語教育の強化と継承語教育の義務化C同化でなく共生D人種差別禁止法案の制定−の5点を2010年には始めるためにも、今から動き出す必要がある。

 何よりも新しいハイブリッドな社会が日本を新しい発展と、世界のリーダーたらん国へと強く牽引していくであろうことを、確信している。【神戸朝高】

[朝鮮新報 2007.12.3]