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〈月間平壌レポート〉 「黎明」から見えた人々の自信

「次は経済大国」

 【平壌発=李泰鎬記者】核実験後初の正月を迎えた。昨年末の平壌市内は、忘年会や買い物客で街が賑わい、車が渋滞することもあったが、新年を迎えるといつもの平穏さを取り戻した。

新たな希望を胸に、今年初めて農作業に向かう人々の足取りは軽い(3日、平壌市和盛協同農場)

 今年の正月は、例年よりさらに平穏だという。3、4年まえから陽暦よりも陰暦の正月を大きく祝う方針となり、大きな行事が行われなくなったことが一つの理由だ。

 今年の陰暦の正月は2月18日。3連休と噂されており、「2.16」名節と合わせると朝鮮版ゴールデンウィークになる可能性がある。それだけに市民の関心は高い。

 これだけに止まらず、今年行われるさまざまな国家行事にも注目が集まっている。当然のことだが、今年迎える名節や行事はすべて核実験後初となる。その意味で「2.16」「4.15」「4.25」と続く名節とそれに伴う行事は、どういう内容、規模になるのか大きな関心事だ。

 国内的には、「勝利の年」「激動の年」となった昨年、「強盛大国建設」において大きな飛躍を遂げた。その象徴が核実験だと言える。「米国の孤立圧殺政策と核脅威から国を守りぬい」た(新年共同社説)「先軍朝鮮」の柱を担う朝鮮人民軍の創建75周年(「4.25」)は大きな意味を持つ。大規模なパレードなどが行われる予定だ。

旧正月彩る大音楽会

 子どもたちによる恒例の「迎春公演」と昨年末に行われた音楽会「わが国の青い空」公演は陰暦の正月に行われることになった。「わが国の青い空」は100%「プロ」の音楽家、芸術家による軍民共演の音楽会で、600人の合唱団と200人の協奏団が組まれるなど約2000人が出演する。

 在日同胞にもなじみの深い歌手や、「生」で見る機会がほとんどない朝鮮人民軍の合奏団や協奏団も一部出演する。公演は約15日間行われる。関係者は「規模と芸術性において、ほかに類例を見ない世界で唯一の大音楽会」になると自信満々だ。

 4月には、昨秋延期された「アリラン」公演が上演される。民族性、芸術性をいっそう深化させ、コンピュータ技術の導入でさらにスケールアップし、今後毎年行われることになる。

 関係者は、「人間と科学が高度に融合した民族的で独創的な公演。朝鮮という国がどういう国なのかを見せることができるだろう」と、これまた自信たっぷりに語る。

強盛大国への夜明け

 その自信は、一連の行事の関係者だけに限られたものではない。朝鮮の人々と触れ合い、取材する過程で、彼、彼女らの言葉の端々から「心の底から沸き起こる自信」を感じ取ることができる。

 朝鮮の工場や農場で働く人たち、国家機関の職員から主婦にいたるまで、ほとんどの人が「苦難の行軍」と核実験の話題になると声のトーンが一気に上がる。「自然災害と経済封鎖による90年代後半の苦しい時期を乗り越えた」「米国と追従勢力の孤立圧殺策動を打ち破り堂々と核保有国になった」と誇らしげに語る。

 これがまさに自信の根拠なのだろう。

 朝鮮の指導者はこれらを「強盛大国の黎明」という言葉で表現した。つまり、「苦難の行軍」という暗闇を抜け、強盛大国への夜明けを迎えたということ。その意味で核実験はまさに「日の出」、あるいは「祝砲」だったのだ。

 「祝砲」に対して「世界」は非難を浴びせた。だが、そこには実際に米国の核脅威にさらされてきた者にしか実感できない、それでいて「自己防衛」という単純な説明も可能な論理がある。

 金日成綜合大学で学ぶオ・ソンチョルさん(27)は「われわれが核保有国になったことに何の問題が?」と問い返す。朝鮮がなぜ各国の制止にもかかわらず核実験をするに至ったのかを「理解できない人がいること」を理解できないのだ。彼は「朝鮮民族の利益と尊厳を守るためには当然のことだ」と言い切った。

 朝鮮文化省のある高官(70)は「植民地支配と北南分断、経済制裁、これまで朝鮮が米国や日本にどれほどひどい仕打ちをうけてきたことか。核保有国になったことでわれわれに手出しできる者は地球上に誰一人存在しなくなった。これからは朝鮮民族の威容を誇る時代だ」と力強く語る。

 平壌サーカス団のイム・ファウンさん(61)も、「わが国は困難を自分たちの力で、われわれのやり方で、楽観的に乗り越えてきた。チュチェ思想、先軍思想の生活力を肌で感じてきただけに、強盛大国建設への絶対的な確信を得た」と語る。

 これまで、自信の根拠がこれほどまでにはっきりと、強固に表れたことはなかったのではないか。朝鮮の人々の自信が形となって見えてくる日がそう遠くはないことを予感させる。

[朝鮮新報 2007.1.12]