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被害者、遺族協会代弁人 祐天寺遺骨、全面調査要求

 既報のように、東京都目黒区の祐天寺に保管されている朝鮮半島出身の旧日本軍軍人、軍属の遺骨1135柱中、南側の出身者の遺骨704柱のうち少なくとも7柱が他人のものであるということが、南朝鮮の報道機関の調査により明らかになった。これと関連し、朝鮮人強制連行被害者、遺族協会のスポークスマンは1日、身元確認のための措置を講じないままさらなる遺骨の返還を南朝鮮と協議している日本当局を非難する談話を発表し、遺骨の全面調査を求めた。談話の要旨は次のとおり。

 倭国(日本)当局は、「浮島丸」の死亡者遺骨は「(身元を確認できないまま複数の遺体を一緒に)火葬したあと、死亡者数人分の遺骨箱に収納した」として、遺骨名簿が作成された1956年の資料が残っていないのでその経緯がわからないという不誠実な答弁をしたという。

 これは、かつて日帝によって異国に強制連行されて奴隷の暮らしを強要された被害当事者は言うまでもなく、半世紀以上も肉親や知人の安否を待ちわびているわれわれ遺族に対する耐えがたい冒とくであり、彼らに加えられるもう一つの痛ましい衝撃であると言わざるをえない。

 看過できないのは、解放後から今まで身元も明らかでなく、個別の区分も明白でない8800余柱の遺骨を南朝鮮に渡した倭国当局が、今後また、百数十柱の遺骨を渡すと言っていることである。

 それらの遺骨は、保管する場所が制限されている、訪れる遺族がいないとしてゴミのように取り扱ってきた島国(日本)反動層の非人道的で無責任な行為によって何回も合葬されたり、流失して残ったものである。

 遺骨箱には、出所がわからない小石や土、木の切れ端やタバコの吸い殻が入っているものもあり、1つの遺骨箱に何十柱分なのかもわからない死亡者の遺骨が入り混じっているものも数え切れないほどある。このような状況で、日本が今後、南朝鮮に渡すと言った百数十柱の遺骨のなかに北側出身被害者たちの遺骨や遺物が入っていないと絶対に保証できようか。

 北側出身被害者たちの遺骨問題に関連して言うなら、倭国当局は敗戦から60余年が経った今日のこの時刻まで一柱の遺骨も返還しておらず、父親の法事のために日本を訪れようとしたわれわれ遺族の孝行の道さえも2回にわたって阻んだ。

 島国当局がこれまで放置していたこのような遺骨を南朝鮮に送り込む裏には、朝鮮人強制連行被害者たちの遺骨問題をうやむやにすることにより自らの重大な人権侵害犯罪を覆い隠し、ひいては過去の犯罪に対する補償義務を払拭しようとする下心が潜んでいる。

 すでに、久しい前から朝鮮人強制連行被害者たちの遺骨をみだりに処理してきた状態で、あえて朝鮮が善意をもって渡した日本人の遺骨に対してまで鑑定結果をねつ造してニセ遺骨であるとけん伝している島国こそ、この世にまたとない人権不毛の地である。

 われわれ強制連行の被害者と遺族は、かつてわが民族にはかりしれない不幸と苦痛、悲惨かつ無念の死を強要しておきながら、それに対するいささかの罪の意識もなく、彼らの遺骨を放置して勝手に処理し、被害者と遺族の胸を切り刻む倭国当局の極悪非道な反人倫的犯罪をしゅん烈に断罪、糾弾している。

 われわれは、今からでもこの問題の公正な解決のための適切な措置を早急に取ることを強く求める。

 日本当局はさし当り、朝鮮人強制連行の被害者たちに対する遺骨調査を全面的に実施してその総数を公開し、遺骨を丁重に発掘して無条件DNA鑑定を実施し、身元の正確な調査に基づいて遺族を探して彼らに徹底的に謝罪し、補償すべきである。

 それとともに、遺族の意思に従って遺骨を彼らの故郷、または家族が住んでいる所に安置し、遺骨問題を生じさせた犯罪者を探し出して責任の所在に従って厳しく処罰すべきである。とくに、われわれは遺骨問題をもって北と南を差別し、北側出身被害者たちの遺骨をみだりに南側に渡すような非人道的で無責任な行為を絶対に許さないであろう。それぞれの遺骨には、半世紀以上も待ちわびてきた遺族がいる。

 日本当局は、過去の被害者たちと国際社会の強力な要求をしっかり認識して、遅まきながらも自分らのなすべきことを果たすべきである。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2007.2.7]