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「冬のない北南関係を」 代表が交わした「春談義」

 【平壌発=李泰鎬記者】第20回北南閣僚級会談では、春の訪れと北南関係の進展を重ねた「春談義」が交わされた。北と南の代表は情勢に主動的に対処し北南関係を発展させていこうとする意志を春の訪れに例えた。その意志によって合意がなされ、北南関係は「種まきの春」に入った。

7カ月ぶりの対話

 今会談で再会した北と南の代表は、全民族の希望と期待を背負っていた。

 取材記者らの最大の関心は会談の行方だったが、北側団長の権浩雄内閣責任参事と南側首席代表の李在禎統一部長官の対話内容にも関心を持った。

 会談期間、平壌は暖かく春の陽気だった。そんな中、2人の話題も「春」だった。

 2月27日、平壌に到着した南側首席代表は、高麗ホテルで北側団長と歓談した席で、2月の6者会談合意を評価し、新たな情勢の発展について言及した。これに対し、北側団長は「対決と反目の時代から和解と協力の6.15時代に入った」と強調し、「冬が去れば、春がくる」と述べた。

「春はつくるもの」

 「春談義」は会談期間中続いた。

 1日目の全体会議での発言で北側団長は、「北南関係において凍りつくような冬が存在した」「民族に対して面目ないと思う」としながら、「永遠に冬のない北南関係を築く責任がある」と述べた。そして、今会談は自然界と北南関係の雪解けが重なり、季節的にも情勢的にも意味のある会談として注目されていると述べた。

 南側首席代表は、西山大師(1592年の豊臣秀吉の朝鮮侵略時、義僧兵を率いて戦った朝鮮仏教界の重鎮)の詩「踏雪野中」について言及し、「雪の降った野原を歩くときはだらしなく歩くな。雪の中の足跡が後から来る人の道しるべになる」という意味だと説明し、里程標を正しく立てる重要性について強調した。

 そして7カ月間の会談中断を省み、「民族の念願である朝鮮半島の平和の里程標を立て、われわれの行く道がわが民族の進む道になるように結果を出すことが今会談の目標だ」と述べ、「春は待つものではなく作るもの」だと強調した。

外部より民族重視

 朝米会談の進展を機に、東北アジアの国際秩序再構築の兆しが現れている。情勢の主導権をめぐって大国の間でし烈な外交が繰り広げられる可能性もある。

 今会談で北側が強調したのは、どんな情勢の変化の下でも「わが民族同士」の理念を示した6.15共同宣言の基本精神に基づき北南関係を発展させるべきだという点だ。

 北側団長は全体会議の発言で、「互いに志を合わせ希望と楽観を与えるような、冬が二度と来ない北南関係を築くきっかけを作ろう」と述べた。

 これに対して南側首席代表は、過去の歴史をふり返り未来の民族と朝鮮半島の歴史を築くことがわれわれの責任であると強調した。

 今会談で双方は、「北南関係に関連するすべての問題を民族共同の意思と利益に即し当局間の会談を通じて協議、解決」(共同報道文)することに合意した。

 共同報道文が発表された2日は朝から雨だった。南側首席代表は、「春雨は祝福の雨。生命を呼び起こすよい雨」だと述べ、「われわれが実りを結ぶ日に春雨が降ったのはとてもよいことだ」と話した。

 北側団長は平壌を訪問した南側の代表らに、「着実に種をまき豊かな収穫をしなければならない。北南関係にはそのような季節だけが存在すべきだ」と語った。

[朝鮮新報 2007.3.9]