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「慰安婦」問題 朝鮮国内で噴出する反日感情

 【平壌発=李相英記者】安倍政権の「従軍慰安婦」をめぐる歴史わい曲の動きは、朝鮮国内でも強い反日感情を巻き起こしている。

国際的に圧力運動

 朝鮮中央通信社は10日、日本の歴史わい曲策動を断罪する長文(約9000字)の備忘録を配信した。備忘録は、安倍内閣出現後、国際社会の普遍的な歴史認識に正面から挑戦した日本の歴史わい曲策動は、政府当局者らが直接関わり、組織的に行うことによって非常に危険な段階に達していると指摘した。

 また、これは過去清算に対する責任を避け、日本社会の思想精神的反動化を推し進め、侵略の歴史を再現する厳重な犯罪行為であると指摘した。そして、日本がこのような行為を中止しなれければ21世紀の人類史に再び恥ずべき罪悪を残し、国際的孤立から抜け出せないだろうと強調した。

 一方、朝鮮日本軍「慰安婦」および強制連行被害者補償対策委員会(朝対委)の洪善玉委員長は記者とのインタビューで、「慰安婦」問題と関連した一連の妄言は「現政府が、過去日本が犯した反人倫犯罪の不法性と罪悪性を認めず、それに対する責任もとろうとしないことを示している」と指摘した。また朝対委は4月27日、米国の「ワシントン挺身隊問題対策委員会」あてに、米下院での「従軍慰安婦決議案」採択の動きを支持する書簡を送った。洪委員長は、米国内での日本の過去清算を促す運動が行われていることについて、「日本に圧力を加える空間」だと肯定的に評価している。

 朝対委は今後、国内で、▼朝鮮人強制連行被害者42万人の名簿調査を行い朝鮮人強制連行の実態と遺骨の真相を明らかにし、▼行方不明になった人々の消息調査を国連に提起し生死確認を行っていくという。

 一方国際社会で、日本の過去清算を求める世論を喚起し、とくに▼国連人権理事会で「慰安婦」問題と強制連行被害者の遺骨問題を提起し、▼米議会での「慰安婦」関連決議案採択を実現させる活動に力を注いでいく方針だ。

 また、5月20、21の両日、ソウルで開催される第8回日本軍「慰安婦」問題解決に向けたアジア連帯会議に朝鮮代表団が参加する。

被害者、完全解決を

 日本軍「慰安婦」被害者のキム・ヨンスクさん(81、平安南道在住)は4月30日、祖国を訪れた在日本朝鮮青年同盟代表団と対面し、13歳の時に日本の警察官の甘言に弄されて中国に渡り、「性奴隷」生活を強要された自身の体験を語った。キムさんは、青年らに「慰安婦」問題など過去の清算から逃れようとする日本当局の動きに立ち向かい完全解決のその日までたたかい続けるよう切実に訴えた。

[朝鮮新報 2007.5.14]