top_rogo.gif (16396 bytes)

朝鮮有数の乳加工製品 ケ・スニ選手も愛飲 ヤギ乳ヨーグルト

九賓に自力で設けた畜産農場

 平壌市江東郡にある九賓畜産専門協同農場は、朝鮮で有名な乳加工品生産基地だ。ヤギ乳ヨーグルト、チーズ、バターをはじめとする乳加工品を生産、供給するとともに、畜産関連技術の研究、普及を通じて、畜産分野でさまざまな貢献をしている。(李泰鎬記者)

「人が暮らせない村」

農場で飼育しているヤギ

 九賓里は山中にある村で、田畑面積が狭くまともな農業ができない場所だった。とくに朝鮮が経済的試練に直面した1990年代半ばには、「人が暮らせない村」とまで呼ばれた。当時は故郷を捨てて去る人も少なくなかったという。

 しかし、この地で畜産を専門的に扱うようにという金正日総書記の方針を最後まで貫いて畜産部門に専念した人たちがいた。彼らの情熱により、こんにちでは九賓里は人々がうらやむ「豊かな村」になった。

 九賓畜産専門協同農場ではヤギをはじめ、乳牛、ウサギ、豚などを飼育し、乳加工品と食肉を生産している。中でも有名なのはヤギ乳ヨーグルト。平壌市民と軍人、託児所、幼稚園そしてスポーツ選手などに供給されている。

 同農場のヨン・チョルス技師長(41)は「おいしくて栄養価の高いヤギ乳ヨーグルトを一度味わったスポーツ選手は、毎日欲しがる」と話す。

 マラソンのチョン・ソンオク選手、柔道のケ・スニ選手も欠かさず食べ金メダル獲得につながったとの話が人気の根拠のようだ。ケ・スニ選手は今でもヤギ乳ヨーグルトを欠かさず、農場ではケ選手用の乳筒まで用意しているという。ヤギ乳ヨーグルトは、体重調整をしなければならないボクシング選手にも人気がある。

 ヨン技師長は、ヨーグルト人気には科学的根拠があるという。

 同農場ではヤギの健康と伝染病防止のため、搾乳を器具ではなく農場員が直接行っている。ヤギ管理も科学的な研究データに基づいて、1つの作業班の担当数と農場の総数を調節しながら、生産性を最大限に伸ばせるようにしている。農場員が絞った乳は、検査室で3種類の成分分析をされる。ここで一定基準値をパスした乳だけが商品化されることになる。加工機械は畜産の先進国から導入した最新のものだ。

絶えず研究を行う

 同農場が、人々が好む良質な製品を生産するようになるまでには多くの困難があった。初めはヤギの飼育法に対する知識も乏しかったという。繁殖もまともにできず、国から与えられた貴重な品種をムダにしたこともある。農業の方がましだと離れていく人々もいた。しかし、同農場の幹部と農場員らはあきらめることなく研究を深め、畜産基地を着実に整備していった。

 90年代後半にはスイスから専門家を招いてヤギの飼育方法を学んだ。97年からは製品供給を開始した。

 ヨン技師長は「総書記が最新設備を贈ってくれ、海外実習にも派遣してくれた。われわれは研究を絶えず続け、難題を解決していった。そうして、藁根を食べて暮らしてきた私たちが畜産を行うことで収入が増え、豊かに暮らせるようになった」と語る。

 同農場には現在、他地方から畜産技術を学ぼうとたくさんの人が訪れる。引っ越してくる人も増えた。

 農場では今後、生産能力をさらに拡大するため、加工室を拡張して全ての工程をコンピュータ化していくという。またウサギ、アヒル、キノコ栽培の研究も専門化させ、この分野でも全国に役立てるようにしていくという。

[朝鮮新報 2007.6.1]