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第21回北南閣僚級会談 根本問題解決の勇断促す

北側団長、「民族重視」の原則堅持を主張

 【ソウル発=文・李相英記者、写真・盧琴順記者】第21回北南閣僚級会談(5月29日〜6月1日、ソウル)で北側は、▼民族重視、民族優先の原則堅持▼対話の一方を刺激し北南関係を危うくする行為防止のための決定的措置を講じる▼北南関係発展のための原則的で根本的な問題を解決することに協議を集中させる−ことを主張した。北側の3つの提案には、過去20回におよぶ会談過程を分析した結果に基づいた原則的な立場が反映されている。

対決の制度、措置の撤廃を

第21回北南閣僚級会談(5月29〜6月1日、ソウル)

 北側が今会談でもっとも強調したのは、民族重視、民族優先の原則を徹底して堅持する問題だ。

 北側は基本発言を通じて、北と南がひとつの民族だとの共通性に基づいて民族を重視し、民族の利益を優先する原則であらゆる問題を解決することを強調した。民族重視、民族優先の精神はすなわち、6.15共同宣言の真髄で、それを貫くことが閣僚級会談の第1の使命だというのが北側の認識だ。

 北側は、民族重視、民族優先の原則を再三強調してきた。その理由は、6.15共同宣言発表から7年が経ったこんにちも、双方で合意した問題が外部勢力の干渉により履行が中断され、全般的な北南関係が外部勢力との関係よりも後ろに追いやられている事実と関連する。

 北側はまた、対話の相手を刺激し、北南関係を危うくする行為がいっさい発生しないよう決定的な措置を講じることを提案した。

 具体的には、外部勢力との合同軍事演習、一方の思想と体制、制度を否定する発言や挑発的な各種放送電波、「国家保安法」をはじめ対決を鼓吹する各種法的、制度的装置などを念頭に置いている。

 北側は全体会議で、第20回会談(2月27日〜3月2日、平壌)直後に行われた連合戦時増援演習と野外機動訓練、国務総理をはじめ当局高官らの反北対決的な発言、「親北サイト」の遮断措置などを例にあげ、「南側当局の直接介入や黙認、庇護のもと、対話の一方を否定する行為が持続しており北南関係の発展に大きな影響を与えている」と非難した。そして、北南関係が6.15共同宣言の根本精神に沿って、順調に発展していない主な原因のひとつが南側の「反統一的な悪法と対決根性」にあると指摘した。

 表では和解と協力、平和と統一について述べながら、裏では分裂と対決の古い法的、制度的枠に囚われた南側の姿が、北側には双方の共存共栄を根本から否定する制度的な矛盾を再生産するものと映っているのだろう。

関係の発展へ確固たる意志

 このような認識に基づき今後、閣僚級会談で新たな合意を作り出すより、すでに合意した根本的で原則的な問題の論議を進めていくことを主張した。

 北側は、第16回会談(05年9月)以来一貫して、北南間の政治、軍事、経済分野の「3大障壁」の除去問題をはじめ、北南関係で原則的で根本的な意義を持つ問題を解決することを重大提案として示してきた。しかし、相手の思想と制度を認め、尊重する実践的な措置を講じる問題など、北南関係の発展において根本的で原則的な意義をもつ事項は依然、履行されてない。

 会談でいくら多くの事に合意しても、それを履行する前提となる原則的な問題が解決しなければ、机上の空論にすぎない。北側の会談関係者は、「現北南関係は法的、制度的な障害物除去のような原則的で根本的な問題を解決しなければ、新たな合意はもちろん、以前合意したほかの事項も履行しにくいという限界に達している」との見解を示した。

 北側は基本発言を通じて、6.15共同宣言発表後7年間の北南関係を総括した。

 その間、双方が「わが民族同士」の理念に基づき、北南関係を発展させることのできる初歩的な土台を築いたと評価した。一方、民族問題の解決で外部勢力の圧力と干渉を許容し、かつての冷戦時代の対決と対立の法的、制度的装置を除去できず、中断と再開を繰り返すという悪循環に陥っていると分析した。

 このような原則的な姿勢と立場には、北南関係をさらに飛躍させようとする北側の確固とした意図がこめられている。今後、関係をより健全な発展の土台を築くため、双方が足並みをそろえて根本問題の解決に向けた勇断を下すことが求められている。

[朝鮮新報 2007.6.8]