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〈解説〉 北側、新たな領海権設定主張

軍事衝突の根源除去が緊急の課題

 朝鮮西海海上での北南軍事衝突は、1999年6月15日と2002年6月29日に二度起こった。衝突の発端は、南朝鮮軍がワタリガニ漁の時期に戦闘艦船を問題の多い水域に相次いで侵入させたことにある。南側は「北方限界線」(NLL)に固執し、自身の侵犯行為を正当化した。一方、北側は南側が不当な主張を撤回し、双方で合法的領海権を設定して根本的な問題を解決することを一貫して提起してきた。

 この問題は北南将官級軍事会談で討議されてきた。

 第1回会談は04年5月26日、第2回会談は同年6月3〜4日に行われた。

 第2回会談で双方は、4つの項目からなる合意書を採択し、国際海上超短波無線対話機の活用、通信連絡所の設置など、朝鮮西海での偶発的衝突防止のための6つの措置をとることに合意した。

 しかし、南朝鮮軍は「北海限界線」に最後まで固執し、軍事的挑発を続けた。第2回会議直後の6月9日、朝鮮人民軍海軍司令部は朝鮮西海海上でひんぱんに起きている南朝鮮軍の軍事的挑発が再び、交戦を招くおそれがあると警告した。

 北側は、西海上での緊張が解消されない根本要因を除去するため新たな西海領海権設定など、衝突防止のための根源的問題解決に向けた提案をした。

 しかし、昨年3月に行われた第3回会談では北と南の認識の差が露になった。

 北側は西海海上で衝突を再発させうる根源をなくそうとした。一方、南側はいくつかの信頼保障対策を講じようと主張した。また北側が、双方がかつての主張をゼロにし、新たに解決方途をたてようと提案したが、南側は「北方限界線」の古い主張を繰り返した。

 問題討議方式では、北側が共同漁労水域設定問題と西海海上軍事境界線確定問題を同時に討議しようとしたが、南側は共同漁労水域のみ設定することを主張した。

 第3回会談から2カ月後に開かれた第4回会談は、合意なしに終わった。

 今年5月に行われた第5回会談でもいったん西海上での軍事的衝突を防止するための問題が上程され、双方がこれを引き続き討議していくことで合意したが、西海上での緊張は、いまだ解消されておらず、むしろ緊張は高まっている。

 現在は二度の交戦があったワタリガニ漁の季節だ。軍事的衝突の根源除去が緊急の課題となっている。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2007.7.4]