top_rogo.gif (16396 bytes)

「拉致」騒動は自滅のみを招く 朝鮮外務省備忘録(要旨)

 朝鮮外務省は19日、日本が「拉致問題」を口実に反朝鮮敵視策動に執着し、朝・日関係、6者会談に危機をもたらしているのと関連して備忘録を発表した。要旨は次のとおり。

 「拉致問題」は、わが国の誠意ある努力によってすでに解決された問題である。

 朝鮮政府は、行方不明者問題の人道的性格を考慮して2002年4月、特別調査委員会を組織して全国的規模で調査活動を行った。

 調査の結果、70年代末から80年代初までの期間に一部の個別の人々による日本人拉致事件があったことが明らかになった。日本がかつて朝鮮人民に及ぼした前代未聞の過去の犯罪に対して謝罪、補償する代わりに、逆に朝鮮を敵視し続けたことにより、わが人民の反日感情が極度に高まっていた時期に発生した事件であった。

 日本が適時に過去を清算し、法律的、道義的責任を果たしていたなら、「拉致問題」は発生しなかったであろう。

 02年9月17日、小泉前首相の平壌訪問期間、日本人行方不明者13人が拉致被害者として確認され、そのうち5人が生きており8人はすでに死亡したという調査結果が日本側に通報された。

 「拉致問題」が発生したことについて朝・日最高位級会談で公式に遺憾の意が表明された。

 同じ世紀に、これに先立って日帝によって行われた840万余人の朝鮮人強制連行、100余万人の虐殺、20万人に対する日本軍「慰安婦」強要など、大規模な反人倫犯罪によるばく大な被害がまったく決算されていない環境で、朝鮮政府が10余人の日本人拉致問題を先に解決することに誠意を見せたのは決して容易な勇断ではなかった。

 02年10月15日、朝鮮政府は日本側の要請に応じて拉致被害生存者5人が故郷を訪問できるように日本旅行を実現させた。

 彼らがまず、1〜2週間ほど日本に行ってきたあと、子どもたちと話し合って今後の居所を定められるように便益を図るというのが、朝・日政府間の合意事項であった。

 しかし、日本政府は生存者が日本に到着した後の10月30日、突然、彼らを帰さないという決定を一方的に発表した。

 これが、「拉致問題」の解決過程において日本側が約束を破り信義を無にした最初の実例である。

 後に判明したところによると、この決定の背後には当時内閣官房副長官であった安倍晋三がいた。

 2004年11月には内閣府と外務省、警察庁の関係者、法医学専門家で構成された日本政府合同代表団が朝鮮に来て、1週間にわたり死亡者に対する現地確認を行うように必要なすべての便益を図った。

 代表団側の要請によって補充確認のため、団長が横田めぐみさんの夫である金英男氏と会い、彼を説得してめぐみさんの遺骨を譲り受けた。

 このように、朝鮮政府の真しかつ誠意ある努力によって13人の拉致被害者のうち、生存者5人とその子ども7人全員が日本に帰り、親の希望どおり横田めぐみさんの遺骨まで日本に戻ったことにより、「拉致問題」は終結した。

 横田さんの遺骨が偽物だという説を持ち出したのが、「拉致問題」が解決された後の日本の最初の反応だった。

 安倍一味は、横田さんの遺骨を科学警察研究所と東京歯科大学、帝京大学で鑑定するようにした。

 科学警察研究所は火葬時に遺骨が高温で燃かれたのでDNAを検出することができなかったと発表し、東京歯科大学も骨相学的な検証は不可能であるとした。

 にもかかわらず、12月8日、当時の内閣官房長官細田博之は、遺骨が「本人とは別の二人の骨」という鑑定結果を公表した。

 04年12月25日に日本側は、「遺骨鑑定結果報告書」を送ってきた。

 鑑定方法とその内容の説明に矛盾点があり、果ては鑑定人と立会人の署名や鑑定機関の公印もないでたらめな文書であった。

 安倍一味が持ち出した「偽遺骨説」に憤激した横田さんの夫が遺骨を直ちに返すことを日本側に求めたが、日本はこんにちまでこの要求に耳を傾けていない。

 安倍一味は最初に提起した13人の調査と処理が終わるや、新たな「拉致被害対象」をつくり上げている。

 07年3月初、ハノイで行われた6者会談朝・日国交正常化作業部会で日本側は、拉致被害者の死亡いかんが仮にすべて実証されたとしても拉致問題が解決されたとは言えない、拉致被害者全員を帰国させるべきであるという主張を持ち出した。

 「拉致問題」にかこつけて朝・日関係正常化を妨げ、6者会談を破たんさせて朝鮮半島の核問題が解決されないようにして、「日本と敵対関係にある朝鮮の核保有」を口実にすれば日本の軍国化と核武装の名分が立つというのが、安倍に代表される日本国粋主義勢力の計算である。

 日本は一時、われわれのミサイル発射問題を口実にしたが、自分自身がミサイルのような運搬手段で偵察衛星まで打ち上げるようになるや、ほかのいっそう「妥当な」口実が必要となった。

 そこで、日本の右翼勢力がしがみつくようになったのが、まさに「拉致問題」である。

 日本の主張どおりなら、「拉致問題」は死んだ人を生き返らせてこそ解決される問題であり、日本の行方不明者がみな現れてこそ解決される問題である。

 日本の企図が許されるなら、朝鮮半島の核問題は「死んだ人を生き返らせなければならない拉致問題」のように、永遠に解決不可能になるであろう。

 日本による朝鮮人誘拐と拉致は今も続いている。

 06年3月27日、朝鮮人民保安省はスポークスマンの回答を通じ、朝鮮公民の誘拐、拉致事件を背後で操ったり、直接関与したりした日本のNGOメンバーの犯罪行為を暴き、彼らに対する逮捕令状が発給されたのでわれわれに引き渡すことを日本政府に求めた。

 朝鮮政府は、朝・日政府間の会談と接触で日本側に朝中国境地域で朝鮮の公民を誘拐、拉致した事件を調査してその実態を通報することと、被害者の送還をたびたび提起したが、日本側は返答を回避している。

 日本が過去の清算を回避し、近隣諸国にかこつけて再武装を企むほど、それは日本の復興ではなく、自滅を招くだけである。(朝鮮通信)

「安倍一味の『拉致』騒動は自滅だけを招く」 朝鮮外務省が備忘録発表

[朝鮮新報 2007.7.27]