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国連で総連弾圧問題を追及、朝鮮 積極的な外交活動展開

 総連と在日朝鮮人に対する日本当局の政治弾圧を糾弾する国際世論を喚起させるため、朝鮮が国連を舞台に積極的な外交活動を繰り広げている。

「決して傍観しない」

 朝鮮の積極的な外交活動の起点となったのは、7月1日に外務省スポークスマンが発表した声明だ。声明は「安倍政権の総連弾圧を決して傍観しないだろう」と指摘、「当該の部門で必要な措置をとる」と言明した。

 その後、平壌をはじめ国内の各都市で総連弾圧を糾弾する集会が連日開催された。国内の諸団体も安倍政権を非難する声明を発表した。

 外務省代弁人声明に示された政策方針は朝鮮の国連外交でも具現された。

 朴吉淵・朝鮮国連大使は7月5日、潘基文・国連事務総長あてに書簡を送り、「在日朝鮮人の民族的権利をじゅうりんする日本当局の策動が無謀で悪らつな段階に至っている」と弾圧の不当性を暴露し、問題に対する国連と国際社会の注意を喚起した。

 朴大使は「現代型の外国人嫌悪」という案件を第61回国連総会の議題に加え、日本当局の在日朝鮮人弾圧をはじめとする民族排他主義問題について論議することを提案した。また、書簡を国連総会と安全保障理事会の公式文書として配布することを要請した。

 国連本部駐在の朝鮮代表らは、同書簡に明らかにされた朝鮮の原則的な立場と姿勢をさまざまな会議の場で繰り返し表明した。

「他民族抹殺行為」

 20日、朝鮮代表は国連総会の一般委員会で行った演説で、「日本はかつてのアジア侵略と虐殺の罪を認めるどころか美化、粉飾している」と指摘、「こんにち日本で露骨になっている非人間的な他民族抹殺行為についてなおさら無関心でいられない」と懸念を表した。

 また、1923年9月1日に起きた関東大震災の際に日本当局が数多くの朝鮮人を虐殺したことに言及し、こんにち日本国内では当時をほうふつさせる殺伐とした雰囲気が生じていると述べた。

 さらには、日本当局の総連弾圧が、「在日朝鮮人の民主的民族権利の擁護者である総連の活動拠点を物理的に除去して総連と在日朝鮮人の活動を抹殺しようとするもの」であり、「朝鮮に対する主権侵害行為」であると断定、総連に対する政治的弾圧と在日朝鮮人に対する民族的差別と虐待、暴行などの人権侵害行為が過去数十年間続いてきたことにより、日本は自ら加盟した国連人権機関から懸念の対象になってきたと述べた。

「防止機関」の役割を

 24日の国連総会全体会議においても、日本当局の在日朝鮮人弾圧は「国連憲章と世界人権宣言をはじめ主要国際人権法規に違反する重大な人権侵害行為である」と強調した。

 朝鮮側が国連の場で総連弾圧問題を提起した目的は、「現在の在日朝鮮人弾圧が関東大震災の時のような朝鮮人集団殺りくに広がる前に事態を収拾することにより、世界のほかの地域でも日本でのような民族排外主義的行為が生じないように警鐘を鳴らす」(20日、国連総会一般委員会での演説)ことにある。国連に対しても、「人間惨殺事態の収拾機関ではなく、防止機関でなければならない」と指摘、人権侵害を未然に防ぐための国連の役割強化を求めている。

 朝鮮側は日本の民族排外主義的行為に対する追及を強化していく構えだ。朝鮮代表は24日の国連総会全体会議での演説を通じて、「日本当局が政治目的から出発した総連と在日朝鮮人弾圧を即時中止しないかぎり、これからも国連の舞台を利用して日本を告訴していく」と明らかにした。(相)

[朝鮮新報 2007.8.3]