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「8.3人民消費品」平壌市展示会を訪ねて

廃材再利用した生活雑貨、品質向上 高まる要求を反映

 【平壌発=文・姜イルク、写真・盧琴順記者】平壌市「8月3日人民消費品」展示会が3〜10日、平壌市の3大革命展示館で行われた。「8月3日人民消費品」とは、工場、企業所の基本生産工程から出た副産物、廃材などを資材として再利用し製造した生活必需品のこと。平壌市人民委員会8.3局の主催で行われた今回の展示会には市内各区域、郡毎から出品された計1000余種、1万7000点あまりの製品が展示された。

流通量1.7倍に

1万7000点あまりの製品が展示された

 金正日総書記は1984年8月3日、平壌市軽工業製品展示場を訪ねて市内の各区域、郡から出品された製品を見て回りながら、人民生活向上のために全大衆的な「人民消費品生産運動」を繰り広げるよう指示した。このときから「8月3日人民消費品」という言葉が使われはじめ、各工場、企業所と区域に設置された作業班でこの生産運動が展開され、その種類と品質を向上させてきた。そして毎年8月、各地で「8月3日人民消費品」展示会が定例開催されてきた。

 国内メディアもこれらの製品生産状況と関係者の活動、その努力についての紹介を活発に行っている。

 「8月3日人民消費品」の特徴は工場、企業所の基本生産工程から出た副産物や廃材、遊休資材を再利用しているところにある。各工場にある「8.3作業班」ではこれらの資材を使って着物や靴、学用品、洗面道具、沐浴道具、陶磁器、食器などを作っている。区域ごとに主婦を中心に構成された家内作業班でも「8月3日人民消費品」を作っている。

 平壌市人民委員会8.3局のチェ・ガンホさん(57)によると、近年、著しく製品の品質が上がり、種類も増えたという。流通量は1984年当時に比べて35倍、昨年と比べると1.7倍に上昇した。

健康器具が人気

展示された製品を見て回る平壌市民ら

 「苦難の行軍」と呼ばれた1990年代後半の経済的試練の時期、多くの工場が正常稼動できなかった。基本生産品の生産にすら支障をきたしていた状況で、その副産物などで作る人民消費品生産にはさらに深刻な影響があった。この時期の人民消費品の生産は低調だったという。

 「苦難の行軍」の影響が色濃く残っていた6年前に比べれば、今年の「8月3日人民消費品」展示場の製品の品質ははるかに高くなり、基本生産品に劣らない製品もあった。当時、目にとまったのがコンピュータの練習用キーボード。コンピュータに対する関心は高かったが、まだ広く普及していなかった当時の状況を反映していた。

 今回の展示会では将棋やユンノリなど民俗的な遊具のほか按摩足板、按摩棒などの健康器具が目立った。

 チェさんによると、人民消費品の品質向上に対する市民の要求はさらに高まっており、それに応えるため関係者らが多くの努力を傾けているという。

 今回の展示会で高い評価を受けた区域は、大小の工場、企業所が密集している平川区域。平壌326電線工場で生産した家庭用電気延長コードが注目の的となった。

 関係者は「中国産より安全で価格は半分以下。人気製品の一つだ」と説明した。

全国規模で展示会

 毎年行われている同展示会だが、これまでは市内の学校の体育館などが主な会場として利用されてきた。しかし、今年は3大革命展示館で開催された。

 チェさんによると、金正日総書記が今年1月3日、人民消費品の種類をもっと増やし、その品質を決定的に高めることについて言及したという。

 これによって、「8月3日人民消費品」生産活動にさらに力が注がれることになった。「盛大な開催」となった今展示会は、関係者はじめ主婦や内閣の幹部らも訪れるほど盛況を博した。

 8月末には3大革命展示館で軽工業省が主催する全国規模の展示会が開催される予定だ。 

[朝鮮新報 2007.8.24]