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〈第6回6者会談第2ラウンド〉 「9.19共同声明履行」 第2段階の行動措置論議

作業部会の結果報告、非核化行程表策定など

 【北京発=金志永記者】第6回6者会談第2ラウンドが9月27日から北京で開かれた。6者会談の全体会議が行われるのは、マカオの「バンコ・デルタ・アジア」(BDA)の凍結資金問題によって休会した3月の会談以来6カ月ぶり。今会談では、8月から9月にかけて行われた5つの作業部会の結果が報告され、「9.19共同声明」履行における第2段階の目標と、これに関連する参加各国の義務事項、その履行順序などが論議された。30日、共同文書発表に向け午前、午後と詰めの協議を行った。協議終了後、議長国・中国は会談を2日間休会すると発表した。中国側首席代表の武大偉外交部副部長は、「文書案に対する各国政府の許可が必要なため休会することを決めた。2日後に共同文書を発表するよう努力する」と述べた。

■9月26日、会談開幕の前日、朝鮮側と米国側の団長が2者会合を行った。この日の夕方、朝鮮側代表団団長の金桂官外務次官と米国側代表団団長のクリストファー・ヒル国務次官補は北京市内の飲食店で約1時間半、席をともにした。

 会合後、金外務次官は記者団に対して、「今回の会談で結果を出して、みなさんを落胆させないようにしようと意見の一致をみた」と明らかにした。一方のヒル次官補も、「6者会談で提起されるであろう全ての問題について話し合った」と述べた。

 これに先立ち25日、金外務次官は北京到着直後、空港で記者団に対して、「この間の合意を履行するための措置に合意できれば非核化プロセスが引き続き推進され、できなければ原点に戻る可能性もある」と述べ、今会談の重要性を強調した。

 朝米両国は9月1、2日にジュネーブで行われた国交正常化作業部会で、「9.19共同声明」履行に向けた次の段階の目標について討議し、一連の合意に至ったとされている。朝鮮外務省スポークスマンが9月3日に明らかにしたところによると、双方は年内に朝鮮側の現存核施設を無力化するための対策を討議、これに合意した。それにともなって米国は朝鮮をテロ支援国リストから削除し、敵性国貿易法による制裁を全面解除するといった政治経済的補償措置を取ることになっている。

■9月27日、第6回6者会談第2ラウンドが、この日午後から始まった。全体会議が北京市内の釣魚台迎賓館で行われた。

会談初日の全体会議(9月27日、北京・釣魚台迎賓館)

 主催国である中国の武大偉外交部副部長は開幕の辞で、「今度の会談は6者会談プロセスにおいてとても重要な会談」だとしながら、「会談の順調な進行のためにわれわれはすでに積極的で成果ある準備を行ってきた」と指摘した。そして、「各国が互恵の精神にしたがって困難と障害を解決、克服し、6者会談を新たな段階に発展させることを願う」と述べた。

 武副部長のあいさつに続き、8月から9月にかけて行われた5つの作業部会の結果を各部会議長国の代表が報告した。

 中国側はこの日夕方、全体会議で行われた各作業部会の結果報告の内容を明らかにした。

 それによると、非核化作業部会では各国が「行動対行動」の原則にしたがって「9.19共同声明」と「2.13合意」に基づいた初期段階措置を確実に履行し、「次の段階」の行動計画を確定していくことに合意した。

 経済エネルギー協力作業部会では、「次の段階」期間中に朝鮮側に対して45万トンの重油、50万トンの重油に相当するエネルギー施設を提供することが決まった。

 東北アジア安全保障作業部会では、各国が相互に受容可能な原則に基づき、互いを尊重しながら友好的な雰囲気の中で作業を進めていくことで意見の一致をみた。

 朝米国交正常化作業部会では、「2.13合意」および2国間の合意事項を確実に履行していくことを再確認した。

 朝・日国交正常化作業部会について説明した日本側代表団の首席代表である佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長は、「両国間の相互理解が深まり、双方の雰囲気も改善された」と説明した。

 会議終了後、中国側の主催で各国代表らが参加する晩さん会が行われた。

■9月28日(会談2日目)、各国は釣魚台迎賓館で団長会議とさまざまな2者協議を行い、「9.19共同声明」履行第2段階の目標と各国の義務事項などを集中的に論議した。

 朝鮮側と米国側はこの日午前、団長会議終了後に2者協議を行った。また、午後には朝鮮と日本との2者協議が行われた。

 米国側のヒル国務次官補は同日中に議長国・中国が合意文書の草案を各国代表団に回覧させる可能性があるとの見方を示したが、中国側からそのような提案はなかった。

 各側は上程された議題に対する立場調整のため、引き続き協議を行った。

[朝鮮新報 2007.10.1]