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〈北南首脳対面〉 7つの分野で懇談会

交流、協力の質的発展を

 2日から4日まで行われた北南首脳対面期間、北側の関係者と南側の大統領随行員らが7つの分野別に懇談会を開き、交流と協力事業の発展と拡大について話し合った。各懇談会で交わされた対話と論議の内容を、現地からの報道をもとにまとめた。

業種別経済人

政治分野の懇談会(万寿台議事堂)

 北側から車宣模・陸海運省参謀長や朱東賛・中央特区開発総局長をはじめ10人が、南側から慶世浩・韓国繊維産業連合会会長、金基文・中小企業中央会会長、金在R・土地公社社長などの企業家10人が出席。

 車参謀長は、「北南経済協力を民族重視の原則から出発して協力の方式を改善しよう」と述べた。また、計画や希望よりも実践と行動で結果を出すべき時期に来ていると強調した。

 慶世浩会長も、「今回の首脳会談を通じて南北の経済協力は民族経済の均衡的発展を目指し、もう一段階高いレベルで発展を遂げなければならない」「互いに優位な要素を効率的に結合させれば多くの成果を達成できるということが、開城工業地区の例を通じて立証されている」と述べた。

大企業代表

 北側からハン・ボンチュン内閣参事、チャン・ウミョン・名勝地総合開発指導局長、チョ・ヒョンジュ民族経済協力委員会責任参事など6人が、南側から玄貞恩・現代グループ会長、鄭夢九・現代自動車会長、具本茂・LGグループ会長、崔泰源・SKグループ会長、尹鍾龍・三星電子副会長などの4大グループ代表をはじめ6人が出席。

 北側は北南経済協力の拡大を高く評価しながらも、これからは経済協力をより高い次元で進めていくべきだと強調した。とくに、現在1次産業と賃加工中心の事業をより生産的な投資協力の段階へと高め、民族の共同繁栄と利益を考慮して投資の規模を決めなければならないと述べた。

 これに対して南側は、投資拡大のためには北側の投資環境の変化が必要だと指摘した。また、国際基準と手続きを遵守する問題や、商事紛争時の調停の困難といった問題点を指摘。北側が市場経済に対する理解をより深める必要性も強調した。

政治

 北側から崔泰福・最高人民会議議長、キム・ワンス・祖国戦線中央委員会書記局長、成自立・金日成総合大学学長などが、南側から金元基・前国会議長、大統合民主新党の文喜相議員、千永世・民主労働党院内代表などが出席。北と南の国会会談の定例化問題などが話し合われた。

 崔泰福議長は、6.15共同宣言に対する北南国会の共同支持宣言を提案した。

 一方、金元基前国会議長も南北国会会談の早期開催を要請。「今回の首脳会談をきっかけに、南北関連諸法の制定、改定に関する要求が爆発的に増加することが予想されるので、国会会談で南北関係発展関連の法整備に関する懸案を時宜適切に調整していかなければならない」と述べた。

 双方はひんぱんに会って信頼の幅を広げていくことについては意見の一致を見たものの、互いの提案に関しては、結論を出せないまま懇談会を終えた。

社会、言論

社会、言論分野の懇談会に参加した北南代表(人民文化宮殿)

 北側から安京浩・「6.15共同宣言実践北側委員会」委員長、チョン・ドクキ・民族和解協議会副会長、崔成益・朝鮮赤十字会副委員長など、南側から韓完相・大韓赤十字社総裁、丁世鉉・民族和解協議会常任議長、鄭淵珠・韓国放送協会会長(KBS社長)、白楽晴・「6.15共同宣言実践南側委員会」常任代表、金正吉・大韓体育協会会長などが出席。

 北側は、「民族重視」の立場を強調、6.15共同宣言発表の日を「わが民族同士の日」に定め記念することを提案した。

 南側は、人道および保健、医療分野での協力活性化、2008年北京五輪統一チーム結成を含めたスポーツ交流、南北共同の映画、放送用セットの建設、言論分野の交流活性化などを議題として挙げた。人道分野では、離散家族の生死確認と面会の回数を拡大し、金剛山以外に開城にも面会所を建設することを提案した。

 南側民和協の丁世鉉常任議長は、「北京五輪での統一チームの構成比率を『5:5』の原則に基づきながらも選手の能力を勘案することで意見の接近があった」と明らかにした。また金正吉・大韓体育協会会長が、五輪聖火を盧武鉉大統領の今回の訪北経路で北京に運ぶことを提案した。

 言論分野では、南側がソウルと平壌に常駐特派員制度を導入し、平壌にプレスセンターを建設することを提案。これに対して北側は、「南側の報道は偏頗的で反北記事が多い」と不満を表し、「民族重視の立場で記事を書くべきだ」と主張した。

 保健医療分野では、児童の健康な成長と伝染病に対する共同防疫システム構築のために「朝鮮半島保健共同体」を作る問題などが話し合われた。

文化、芸術

 北側から李鍾革・祖国統一研究院院長、チャン・ヘミョン・作家同盟中央委員会副委員長、キム・ソクファン・文化省文化保存管理局長、朝鮮芸術映画撮影所の俳優であるリ・ヨンホさんなど8人が、南側から総合芸術文化施設「芸術の殿堂」の李世雄理事長、小説家の趙廷来氏、文正仁・延世大教授など10人が出席。

 北南双方は文化、芸術、学術分野での交流を拡大していくことについて意見の一致を見た。

 李世雄理事長は、「これからの南北文化交流は互いの才能ある人材がともに集まり、芸術を創作し学問を研究する段階へと質的発展を模索すべき」と述べ、南の学生に北の大学で伝統文化と歴史を研究できる機会を与えてくれるよう提案した。また、来年の北京五輪での南北共同応援や芸術公演も提案した。

 また、映画フィルムの交換、開城に文化交流や朝鮮語辞典編さんなどを行うための文化学術施設の建設、双方の国策研究所間の交流などについても話し合われた。

宗教

 北側からリュ・ヨンソン・朝鮮仏教徒連盟中央委員会委員長、カン・ジヨン・カトリック連盟中央委員会副委員長、オ・ギョンウ朝鮮キリスト教連盟中央委員会書記長、南側から智冠・曹溪宗総務院長、権五成・韓国キリスト教教会協議会(KNCC)総務などが出席。

 北側は民族性と民族文化・伝統の固守を強調、「平和統一に向けた北南宗教界の努力を高く評価」し、「わが民族同士、力を合わせていこう」と呼びかけた。南側は宗教団体間の人的交流と北側の宗教施設の復元などを提案、「今回の首脳会談の結果を宗教界の次元でも実践していこう」と述べた。

 南側は、今年中に南側で「宗教人平和大会」を開き、宗教人平和宣言を採択することを提案。また、双方の宗教施設の相互訪問や施設の拡充の必要性を強調、「平和週間」を設定し南北の文化、芸術、体育行事や宗教別の共同行事を行うことを提起した。

女性

 北側からキム・キョンオク・朝鮮民主女性同盟中央委員会副委員長、ソ・オクソン・朝鮮女性協会常務委員、パク・ヨンフィ・民和協女性部長、南側から金花中・韓国女性団体協議会会長、鄭鉉栢・韓国女性団体連合代表、金紅男・国立中央博物館館長などが参加した。

 金花中会長は、2000年以降の交流拡大の流れの中で、「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」での南北共同起訴状作成や米下院での「慰安婦」決議案採択などの成果があったと述べ、「他の分野に比べて交流が遅れている女性分野だが、具体的な活動を通じて交流を定例化しよう」と提案した。

 また、「医療分野を含め社会、文化、芸術など専門分野別に交流、協力を進め、南北の相互協力と統一に寄与していきたい」と抱負を語った。

 一方、キム・ヨンオク副委員長は民族文化振興のための北南女性協力を提案し、「南側の託児支援事業などに関しても同意する」と述べた。(李相英記者)

[朝鮮新報 2007.10.10]