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新時代に対応 朝鮮の経済政策

科学技術、実利を基に自力更生

 朝鮮では最近、新たな時代の要求と変化した環境に対応した経済建設の推進が強調されている。

 「自力更生の旗じるしをさらに高く掲げよう」と題する労働新聞10月30日付論説は、手作業で生産と建設を行った時代は過ぎ去った、と指摘しながら、21世紀の自力更生は科学技術と実利に基づいた自力更生だと強調した。

「外国技術の導入も」

外国企業との交流を目的に毎年開催されている平壌国際商品展覧会(10月上旬) [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 自力更生とは、朝鮮労働党が変わることなく掲げてきた経済戦略だ。21世紀の経済建設においてもやはり、自力更生の原則を徹底して具現することが強調されている。

 同紙は、こんにち社会主義建設は新たな転換期を迎え、経済全般を立て直す重大な課題に直面している、と指摘。朝鮮経済を大きく飛躍させるための秘訣は、自力更生の原則を徹底して具現することにあると述べている。

 ただ、「自力更生」の概念においては最近、時代の発展とともに著しい変化が見られる。21世紀の自力更生は、科学技術と実利に基づくことをとくに強調している。

 同紙は、「わが党は新世紀の要求に即して技術を革新し、それに基づいて生産と建設を自力で推し進めることを自力更生の基本課題としている」と伝えている。

 さらに、「人民経済を改造するには、外国の先端科学技術を積極的に導入することも極めて重要だ。世界的な先端技術を自分のものにし、それを積極的に活用すれば、それもやはり自力更生になる」と指摘した。

 また目に付くのは、「自力更生では実利が基本」という、かつてなかった定義だ。

 「経済建設と文化建設から対外活動に至るまで各分野の活動で実利を優先視し、実利が得られるように活動を企画し、展開するのは、わが党の一貫した原則だ」と説明している。

 同紙は、自力更生は過去に朝鮮の自立経済が全面的な活性期を迎えるようにした原動力であるとしながら、現在、わが党が求めている人民経済の活性化は、単にかつてのものを回復する事業ではなく、全面的な技術革新を伴う事業だと付け加えた。

 一方、自力更生は帝国主義の経済的封鎖を粉砕する「強力な武器」だと指摘。「わが人民は20世紀の社会主義守護戦でも、そして、こんにちの新世紀の進軍でも社会主義の原則を放棄することはない」と釘をさした。

党の活動スタイル

全国「党細胞」書記大会では、経済強国を目標に党の活動スタイルを転換することが強調された [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 10月26、27日、平壌の4.25文化会館で開かれ全国「党細胞」書記大会は、「党細胞」の主課題として党の経済政策実現をあげ、経済強国を目標に党の活動スタイルを転換することを強調した。

 「党細胞」とは、朝鮮労働党の組織体系において末端にある基礎組織を指し、党員の生活を直接組織、指導している。

 全国「党細胞」書記大会が開かれるのは1994年4月以来13年ぶり。大会は、「社会主義経済強国建設の各部門で一大飛躍を起こすようにする重要な里程標となった」(労働新聞10月29日付社説)と評価されている。

 大会では、参加者に送る朝鮮労働党中央委員会の祝賀文が伝えられた。祝賀文は、党細胞の機能と役割をいっそう高めることにより、朝鮮労働党の強化、発展と社会主義強盛大国建設偉業の遂行に積極的に寄与するものと確信すると指摘した。

 大会の報告でも、党細胞が関心をまわすべき主要課題として経済問題を掲げた。報告は、「自力更生だけが生きられる道だという信念をもって、経済事業で提起されるすべての問題をわれわれの技術、われわれの資源、われわれ自身の力で解決していく確固たる観点と立場」で人民生活の向上をはかることを呼びかけた。

 また、時代の要求に沿って、活動家らが高い政治的資質と現代科学技術を養うことにも言及。情熱と実力をもって活動を繰り広げることをアピールした。

 朝鮮を取り巻く環境が大きく変化する中、新時代に対応して発展を遂げようとする経済政策がどのように実を結んでいくのか注目される。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2007.11.9]