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ステルス戦闘爆撃機 米が南朝鮮、日本に配備

6者会談の裏で北侵戦争準備

 既報のように、最近米国はF117ステルス戦闘爆撃機を南朝鮮に、同時にF22Aステルス戦闘機を沖縄県嘉手納基地に配備、6者会談の裏で北侵戦争準備を進めている。

 報道によると、米国はF117ステルス戦闘爆撃機1個大隊(15〜24機)と300余人の支援兵力を南朝鮮に移動、配備した。1月11日から同機は南朝鮮の米空軍基地に実践配備されはじめ、一部の編隊は18、19の両日、地形熟知演習と地上目標物打撃演習、レーザー誘導爆弾投下演習を行った。

 同機は4カ月以上南朝鮮に駐屯し、3月に南で行われる「連合戦時増員演習」にも参加する予定だという。

 過去に米国は同演習と関連し、「地上軍投入前に敵の戦闘システムの30〜50%を破壊する」(2005年2月、当時の米軍司令官)ことに目的があることを明らかにしている。

 F117の南朝鮮配備と同時に、2月上旬には嘉手納基地に12機のF22Aステルス戦闘機と250余人の兵力を展開し、同機参加の下で駐日米空軍と自衛隊が共同訓練を行う予定だという。

 レーダーに感知されないステルス機能を持ったF22Aは、空対地攻撃能力に優れ、F117より性能がさらに高いものとして知られている。この戦闘機が米本土以外の海外基地に配備されるのは今回が初めて。

 朝鮮半島とその周辺に対する米国の前例のない武力増強は、朝鮮侵略の野望がどの段階に至っているのかを物語っている。

北南朝鮮で憂慮の声

 このような米国の軍事的動向に対して、北側はもちろん南朝鮮各界でも憂慮の声が上がっている。

 6.15共同宣言実践南側委員会言論本部は1月11日声明を発表し、ステルス戦闘爆撃機の南朝鮮配備が朝鮮半島の緊張を激化させていると指摘しながら、大部分のメディアはステルス戦闘爆撃機配備に対する米国側の説明のみを報道し、結局市民たちの知る権利を踏みにじっていると警鐘を鳴らした。ちなみに米国は、ステルス戦闘爆撃機配備と関連し、「特別な軍事的脅威のためではなく北朝鮮とも関係がない」と主張している。

 また、民主労働党政策委員会も同日、論評を発表し、ステルス戦闘爆撃機が89年パナマ侵攻、91年湾岸戦争、99年ユーゴ空爆などに頻繁に使われた武器だということを想起させながら、対北精密打撃のための作戦計画「5026」においてステルス戦闘爆撃機は一番重要な役割を果たすと指摘した。さらに、3月に行われる「連合戦時増員演習」に同爆撃機が動員されることは、今回の演習がほかのどのものよりも強度の高い対北戦争演習になることを示していると強調した。

 南北共同宣言実践連帯もこれと関して、米国は6者会談を切に願っているように世論を誘導しているが、実際は朝鮮半島戦争策動に余念がないと非難した。

 一方、祖国平和統一委員会(祖平統)のスポークスマンは13日談話を発表し、現実は米国の言う「核問題の平和的解決」というのは世人を欺まんするための飾りにすぎず、実際は全朝鮮を軍事的に支配しようとする野望の表れだと非難した。

 また北のメディアは、「ステルス戦闘機配備は6者会談破たん企図」(労働新聞1月20日付)、「核問題解決を願わない重大な軍事行動」(朝鮮中央通信社論評、1月22日)などといっせいに非難を強めている。

米日、対朝鮮攻撃作戦樹立へ

 日本は、1970年代後半から米国の軍事戦略に組み込まれてきたが、近年に入って米国と同等の立場で対朝鮮軍事作戦に参加する動きを強めている。

 そのことを裏づけるように、日米両政府は去年12月から「朝鮮半島有事」を想定した共同作戦計画作成に取り組んでいるという事実が明らかになった。朝日新聞1月4日付によると、この計画は02年に日米が署名した概念計画「5055」をさらに具体化したもので、今秋を目標に完成させるという。

 共同作戦計画は、▼状況が朝鮮半島に限定される場合▼日本に対する武力攻撃に発展する場合を想定しているが、要するに米日軍による対朝鮮攻撃作戦計画の樹立に目的がある。

 その延長線上で、遭難した米軍の捜索と救助、米軍の出撃および補給基地と港湾の提供、警護など具体的項目別の警察、地方自治体、民間の協力計画まで含まれているという。

 年始、防衛庁を「省」に昇格させた日本は、「教育基本法」に続き「平和憲法」の改悪も推進している。同時に全メディアを動員し、朝鮮を「危険国家」としながら「核保有論」までも論議している。

 日本の朝鮮侵略野望は日増しに露骨化している。

[朝鮮新報 2007.1.31]