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朝鮮の論調 1月

 朝鮮中央通信社は、朝鮮民主主義人民共和国の国営通信社にして同国最大の報道機関である。労働新聞、朝鮮中央放送や国内メディアが発信するニュースなどを世界各地へと配信している。今号から米国、日本、南朝鮮に対する朝鮮国内メディアの論調をまとめ、主な論旨を月間単位で紹介する。

−対米 「再侵略」窺うステルス機配備

全羅北道・群山の米軍基地に配備されたF117ステルス機(1月15日) [写真=聯合ニュース]

 1月の間に配信された対米論調の内訳をみると、軍事関連が圧倒的に多く、半数以上を占めた。

 今年最初に配信された論調は、「新たな朝鮮戦争を企てる米国」(1月2日発)というものだった。

 次に配信されたのは10日後の1月13日。内容も具体性を帯び、ステルス戦闘爆撃機の南朝鮮および日本への配備に対する批判が目立った。

 「この地域にステルス機を配備するということは、米国がいまだ北侵野望を棄てずに第2の朝鮮戦争を画策している証左にほかならない」−というのが共通内容。

 6者会談代表による朝米会談がベルリンで実現し、金融制裁問題の両国担当者が北京で接触するなど、外交的には対話ムードが目立った1月。一方で、配信された論調には米軍の動向を厳しく非難する内容が大半を占めた。

 気になる点は、1月2日の配信以降、ベルリンでの会談(16〜18日)が行われる前の約2週間は対米論調が一度もなかったこと。

 そして、会談が始まるやいなや、15〜17日まで三日続けて米軍非難の論調を配信したことだ。

 一見、対話ムードに水を差すようなタイミングと内容。何かを意図した運びであったとするならば、その狙いは何なのか。

 朝米会談以降は、会談の「事実関係」だけを19日に簡単に流し、20日からはまた米軍非難の論調を開始している。

 ただ、金融制裁問題に関する接触が北京で行われたときは、接触前および接触中も米軍に対する批判論調を繰り返し配信した。

 ステルス機配備を主として批判する一方、「米国は最大の核保有国」「大量殺傷兵器の最大脅威は米国」というふうに、ところどころで核問題に触れるケースも目に付いた。

 ほかには、一極支配批判、人権、偽札、フセイン死刑問題などにそれぞれ言及している。

−対日 「軍事大国化」への道進む

 最も目立つ。分量としては対米、対南論調の倍近い。

 最近では「日本」と呼ばずに「倭国」「島国」「列島」という表現を用いるなど、語調にも激しいものが目に付く(ちなみに「倭」という表現が最初に用いられたのは昨年の12月18日。6者会談の再開日である)。総聯弾圧をきっかけに高まった国内の反日感情を反映しての、「倭」表現使用ではないかと指摘する向きもある。

 対米論調のようにタイミングを図ったかのような動きはなく、ほぼ毎日のペースで配信されている。

 内容別に見ると、軍国主義化を懸念する内容が圧倒的に多い。旧防衛庁の「省」昇格や教育基本法改正、憲法9条改定論議を主導する安倍内閣への直接的な批判が目立つ。

 ほかには、総聯に対する弾圧を糾弾する内容がこれに続く。過去清算問題、在日米軍、フジTVの拉致関連報道にもそれぞれ言及した。

−対南 「親米屈辱追従」のハンナラ党

 政権野党ハンナラ党を名指しで非難する内容が多数を占める。反民族的な親米屈辱追従を繰り返す「反逆党」−というのが主な論旨だ。

 とくに、1月21日発の論調では「罪悪に包まれた反逆党の2006年の行為」と題し、ハンナラ党に対する総括内容を配信。異例の長文となっている。

 南の政党批判は久しい以前から行われてきたが、ここまで一つの党を厳しく糾弾する例は、あまり類を見ない。今年は共同社説までもが「埋葬すべき」だと激しく非難している。

 今年、南社会は「大統領選イヤー」を迎えた。これと連動してのものなのか。しばらくは推移を見極める必要がある。

 ほかには、開城観光、朝鮮半島の統一、自由貿易協定、イラク派兵延長、駐留米軍問題などにそれぞれ言及した。

 米日に対しては、総じて軍事関係の動きを糾弾する論調が圧倒的に目立つ。核実験の正当性を裏付ける要素にもなろう。南に対しては、ハンナラ党批判の語調の激しさが目立った。日韓ともに米軍基地を抱えているため、ステルス機配備を非難する場合には、個別批判よりも共に関連させる内容が多かった。(まとめ=韓昌健記者)

[朝鮮新報 2007.2.9]