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〈論調〉 衆議院での国民投票法案可決を非難

 最近、日本の国会衆議院で「日本国憲法の改正手続きに関する法律案」(国民投票法案)が通過した。これにより、日本での憲法改正策動は論議の段階を超えて本格的な実践の段階に入るようになった。これは、きわめて重大な事態の発展である。

 日本は、「戦後体制」から脱却して戦争国家、侵略国家としての体裁をつくろうとしている。これがまさに、安倍執権勢力が大げさにけん伝してきた「美しい国」「新しい国家の姿」である。

 安倍勢力が唱える憲法改正は、表現上、改正であって、実際は「平和憲法」を戦争憲法につくろうとするものである。これは、国際条約に対する重大な違反であり、挑戦である。

 第2次世界大戦末期に調印された「ポツダム宣言」と第2次世界大戦直後に効力が発生した国連憲章には、敗北後の日本が平和国家としての法律的地位をもつ問題が言及されている。この時期に、日本は「ポツダム宣言受諾通告」「日本降伏文書」などを通じて「ポツダム宣言」を受け入れ、それを誠実に履行することを公約した。

 日本の「平和憲法」は、まさにこのような国際条約の要求に従って制定され、施行された。「平和憲法」を戦争憲法に改悪するというのは結局、国際条約を履行しないということにほかならない。

 日本には、敗戦国として国際条約を誠実に履行する義務しかない。国連憲章は、敗戦国が担っている義務を勝手に無効にすることができないということを規定した。したがって、日本には「平和憲法」を自分勝手に戦争憲法に改悪する権利がない。

 安倍執権勢力が「国民的な論議」「国民投票」などと称し、「国民」という看板を掲げて戦争憲法をつくろうとするのは許せない犯罪行為である。

 日本の憲法改正問題は単に国内的な性格を帯びた問題ではなく、日本と国際社会間の関係に関連する鋭敏な政治問題である。

 各種の「脅威」説を流し、過去をありのままにに受け入れるのは「自虐的な行為」になるとして巧妙な方法で日本国民の間に軍国主義思想を注入し、海外侵略へ駆り出そうとしている安倍執権勢力の策動は、かつて日帝支配層が日本の社会、政治体制をファッショ化するために犯した罪と異ならない危険な行動である。

 安倍勢力の無分別な憲法改悪策動によって、日本の「平和憲法」は死に瀕している。「平和憲法」が葬られ、戦争憲法が出現した後には、日本という国がまるごと滅亡に瀕するようになる。

 安倍執権勢力は現実をしっかり見て、戦争憲法づくり、戦争国家建設策動を中止すべきである。(労働新聞5日付論評)

[朝鮮新報 2007.5.12]