top_rogo.gif (16396 bytes)

北南首脳会談開催を歓迎する 日本各界の声

 北南首脳会談の開催は、国際的に大きな朗報として受け止められている。日本の各界からも同会談開催を支持する発言が相次いでいる。(文責は編集部、順不同)

東北アジアの平和に合致 中塚明 歴史家・奈良女子大名誉教授

 7年ぶりの南北首脳会談の実現を心から歓迎します。これを機会にさまざまな問題が解決されるよう望んでいます。

 南北の対立がなくなり、和解し、統一が実現することは、東北アジア全体にとっても、日本にとっても歓迎すべきことだと思います。

 7年の中断がありましたが、お互いにもっと親密になり、統一への道が確かなものになることを願っています。

世界を勇気づける 山本玉樹 北海道大学総合博物館資料研究員

 南北首脳会談が開催されるというニュースは、東アジアの平和構築のためのすばらしいメッセージだと思う。

 7年前に発表された歴史的な南北共同宣言の民族自決の精神に従ってこの間、南北間では、分断から半世紀以上も断ち切られていた鉄道が一つにつながり、統一列車の試運転が行われ、また歴史や言語、スポーツ、芸術など多彩な分野で和解と統一の動きが続いている。

 これらの朝鮮半島の一連の動きは、アジアと世界の平和を求める人々から歓迎されており、彼らを心から勇気づけるものだ。

 日本政府は口を開けば拉致しかいわないが、日本の明治以来の朝鮮やアジアに対する侵略を考えると、日本の言動は恥ずかしい。日本は自らの過去に、誠実に向き合うべきだ。

 江戸時代に活躍した外交家、思想家、教育者の雨森芳洲は「互いに欺かず争はず、真実を以て交り候」と隣国との交流について「誠信」の教えを説いた。日本は今こそ、芳洲の説いた隣人友邦の精神を現代に生かすべきである。

 日本の対朝鮮認識を根本から正し、朝鮮とアジアの民衆の信頼を勝ち取るべきである。

 もともと一つの民族、一つの国家であった朝鮮民族が自主的に祖国の統一をなしとげようとする血のにじむ努力に対して心から敬意を表し、共に喜びたい。

日本は何をしているのか 野田峯雄 ジャーナリスト

 心から歓迎する。日本人として、置いてきぼりになっていくと考えるのは間違っている。

 われわれがもっと外の世界を見て、自分の位置を自覚して動いていくべきだと思う。

 今回の南北の動きで何が生まれるのか。一歩、二歩、歴史の前進を見せてくれるのは本当にうれしいことだ。

 日本がモタモタしている間に、周辺国は歴史の歯車を前進させている。いったい日本は何をしているのか、率直にこのことを受け止めていきたい。

対朝鮮敵視政策やめよ 横堀正一 日本朝鮮学術教育交流協会事務局長

 私たちは、第2回南北首脳会談の開催が決まったことを心から歓迎し、朝鮮人民と喜びを共有するものである。

 2000年6月15日に発せられた南北共同宣言は、統一問題について「わが民族同士で互いに力を合わせ、自主的に解決していく」ことを基調にして、相互信頼を固めていくことで合意した。

 その後の7年間は、米日を中心にした対朝鮮敵視政策、軍事的包囲網、経済制裁と闘いながら、必ずしも平坦ではなかったものの、「6.15」精神と「民族同士」は共同のスローガンとなり、多面的な分野で南北の合作、交流を深め、「民族同士」の信頼感を高めてきた。

 同時に、朝鮮側の核実験を契機とした朝米直接対話とブッシュ政権の対朝鮮政策の転換が行われ、朝鮮戦争の正式な終結と平和協定、朝鮮半島の非核化、朝米国交正常化に向けた歩みが始まっている。6者協議の2.13合意も実施されつつある。

 第2回南北首脳会談は、これらの動きをさらに高い段階へと加速させ、自主的平和統一をめざす民族的胎動を高めることになるであろう。

 この南北首脳会談開催の動きに対して問われるのは日本政府の態度であろう。安倍内閣は一応「歓迎」の態度を表明したが、対朝鮮敵視政策の基調を変えようとはしていない。

 安倍内閣がとるべき道はただ一つ、直ちに日朝国交正常化のための政府間交渉を再開し、日朝平壌宣言の理念に沿って行動し、対朝鮮敵視政策の一切をやめることである。

 日本政府は朝鮮半島の平和の流れにこれ以上逆行し、国際的な孤立を深めるべきではない。

統一へスピードアップ 北川広和 日朝友好連帯埼玉県民会議事務局長

 南北首脳会談の開催決定を心から歓迎する。

 日本のマスコミは、今回の首脳会談について、南北双方の狙いや思惑を勝手に憶測したり、日本独自の場違いな要求を突きつけたりしている。

 しかし、首脳会談の目的はすでに合意文書のなかに明らかだ。「北南首脳の対面は…北南関係をより高い段階に拡大、発展させ、…祖国統一の新たな局面を切り開くうえで重大な意義を持つことになるだろう」と記されている。統一実現のための首脳会談にほかならない。

 具体的には統一問題がいかに話し合われるのか。たとえば統一方案の策定について、ウリマル事典の編集時のように、まずは南北の学者が1年間討議し、その後開く第3回南北首脳会談において、政府間の統一方案協議機構を立ち上げることが考えられる。

 すべては2000年の6.15南北共同宣言に沿った動きであろう。

 そこで敷かれたレールに乗って、連邦制平和統一列車が、2010年という節目の年での統一実現に向けて、いまスピードアップしたと言えるのではないだろうか。

[朝鮮新報 2007.8.20]