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朝鮮学校を支援する会発足 東大阪で300人参加

市民の力で多文化共生を

大阪朝高運動場裁判についての報告などが行われた

 「東大阪の朝鮮学校を支援する市民の会」結成総会が7月31日、男女共同参画センター(東大阪市)で行われた。300人が参加した。

 総会では、会の代表に河崎美保子氏(河内労働者福祉協議会事務局)、事務局長に杉山毅氏(自治労東大阪市労働組合)がそれぞれ選出された。総会では、映画「ウリハッキョ」の上映会も開催された。

 多文化共生を謳う東大阪市には、大阪朝鮮高級学校と東大阪朝鮮初級学校の二つの朝鮮学校がある。チマ・チョゴリ(制服)でのいきいきとした同校生徒たちの朝夕の通学姿は、多文化が共生する街を象徴するものとして、心温まる一つの「風物詩」となっていると市民たちは話す。

 しかし現在、市が起こした「大阪朝高運動場明け渡し裁判」により、「風物詩」となっている子どもたちの「学習権」が奪われようとしている。

 総会では大阪朝高の金淳附Z長の来ひんあいさつに続き、裁判の経緯について弁護団の中森俊久弁護士から状況報告がされた。

総会には300人が参加した

 中森弁護士は、朝高を教育施設と認めずに運動場の4分の1を明け渡すことで生じる弊害について指摘。「日本基準」が「世界基準」からあまりにもかけ離れていると述べたうえで、市民全体で裁判の行方を見守っていくことの重要性を訴えた。また、この問題は子どもたちの学習権を守るという点で一致団結し、市民運動で権利を勝ち取る側面を持つと強調した。

 結成総会の基調報告では、「運動場明け渡し裁判」を市と大阪朝高の間で交わされた1972年の「教育施設の有益性の立場を考慮して、誠意をもって双方協議のうえ履行する」との覚書の線上で解決できるように協力すること、各種学校の扱いのもとで、法的差別や制度的制約を受けてきた歴史や現状について広く市民に訴えていくこと、署名運動などさまざまな支援行動を強めていくことなどが提起された。

 当面は大阪朝高の裁判支援が焦点となる。

 河崎代表は「みんなの力でこどもたちの権利を守り、勝ち取っていこう。もっと人と人でつながっていこう」とあいさつし、「元気よくがんばっていきたい」と決意を新たにしていた。

 総会では、東大阪朝・日親善協議会の金憲二会長が謝辞をした。

 総会には西大阪、中大阪、北大阪の朝鮮学校を支援する市民の会の代表らも参加、連帯の約束が交わされた。

 東大阪朝鮮初級学校の柳政彦校長は「学校、学父母ともに市民の会の結成を心強く、うれしく思っている」と語った。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2007.8.22]