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〈論調〉 軍国主義政策は糾弾を免れない

 小泉の跡を継いで権力を握った安倍は、「美しい国づくり」を標ぼうして憲法改正と戦後レジーム(体制)からの脱却を政治の基本スローガンに提起し、日本社会を軍国化、ファッショ化する道に進んだ。

 安倍は、過去の侵略史を全面否定して擁護し、日本人の間に軍国主義思想を吹き込もうと策動した。安倍は、自分を責任者とする「拉致問題対策本部」なるものを設置し、「拉致問題担当相」と「拉致問題担当補佐官」という職制まで設けた。安倍は、自ら「拉致首相」になって民心を買い、独善的な軍国主義政策を全面的に実現しようとした。これは、戦後日本の歴史に類例のない軍国主義者の政治的賭博であった。

 安倍は、犯罪的な軍国主義政策を実施するうえで歴史問題に対する自分の誤った主張を政治全般にそのまま移した。その代表的な一例は、1993年当時の日本内閣官房長官であった河野の日本軍「慰安婦」犯罪に対する「謝罪談話」を否定したことである。

 日本では、戦後数十年目にして防衛庁が防衛省に昇格した。自衛隊の海外侵略を実現するうえで安倍がもっとも大きな障害物と見なしたものの一つが、日本の国防政策を担当している防衛庁の機能と役割が制限されていることであった。

 安倍勢力は、米国の侵略戦争を積極的に支援した。彼らは、自衛隊武力のイラク派遣期間を延長することにより、侵略的な「対テロ戦」に積極的に加担し、それを通じて自衛隊を現代戦に対応できるよう準備した。また、米軍により多くの兵たん支援を与えることで、海外侵略の足場を築こうとした。日本は、米国と共同でミサイル防衛(MD)システムを樹立すると同時に、独自のMDシステム樹立策動を本格化している。

 安倍政権は、「領有権」問題を持ち出して周辺諸国との領土紛争を意図的に引き起こしている。特に、彼らはわが国の固有の領土である独島(日本名・竹島)を武力で占拠する企図をさらけ出して戦争の雰囲気を醸し出している。日本自衛隊の独島占拠訓練の強行は、安倍政権の軍国主義的な侵略政策の危険性をそのまま示している。

 日本では、総連と在日朝鮮人に対する弾圧が行われている。総連と在日朝鮮人に対する日本のファッショ弾圧は、対朝鮮敵視政策から発した意図的かつ計画的な政治的挑発行為である。それは、日本を軍国化、ファッショ化して戦時体制を樹立しようとする安倍政権の危険な再侵略政策の強行である。

 かつて、日本が朝鮮人民とアジア諸国の人民におびただしい不幸と災難を被らせたことに対して露ほども呵責を感じずにそれを正当化し、犯罪の歴史を再現するため狂奔している安倍勢力にもたらされるものは恥と破滅しかない。(労働新聞8月25日付)

[朝鮮新報 2007.9.1]