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〈北南首脳対面〉 日本各界人士 お祝いのメッセージ

 大きな成功に勇気得た 加藤毅 自主、平和、民主のための広範な国民連合事務局長

 日本では、南北首脳会談が始まる前から、これにケチをつけるマスコミ報道が目立っていたが、彼らの予想を超えて、南北首脳会談は大きな成功をおさめたと思う。

 盧武鉉大統領と金正日国防委員長の両首脳は、6.15宣言の固守、思想と制度の差を超えた相互尊重と信頼の関係、軍事的敵対関係を終息させる国防相会談、停戦体制の終息と恒久平和体制の構築をめざす3者あるいは4者の首脳会談、インフラ整備や資源開発を含む幅広い経済協力、白頭山―ソウル直航路の開設、離散家族の常時再会、11月の首相会談、首脳による随時の協議など、多方面にわたる包括的な合意を実現し、自主的な平和統一に向けて大きく前進した。

 う余曲折はあっても、この大きな流れは変わらないと思う。日朝関係の行方にも大きな影響を与えることはまちがいない。

 朝鮮民主主義人民共和国を敵視し、制裁一辺倒でやってきた日本政府は、苦虫をかみつぶしているだろうが、私たちアジアの平和、日朝国交正常化を願う日本国民は、とても励まされ、勇気づけられた。

 あらためて、対米従属の政治を終わらせ、日朝国交正常化を実現するためにがんばろう、との思いを新たにした。

東アジアの安定と平和に寄与 伊藤孝司 フォトジャーナリスト

 7年前の金大中前大統領の訪朝で、朝鮮と韓国との関係は驚くほど改善された。だが、軍事的敵対関係は信頼関係構築に大きな障害となってきた。今回、金正日総書記と盧武鉉大統領が署名した「南北関係の発展と平和・繁栄のための宣言」は、それを取り除くための画期的な一歩になろうとしている。朝鮮半島だけでなく、東アジアの平和と安定に大きく寄与するはずだ。

 また、今まで以上の大規模な経済協力を進めることに合意したことは、将来の統一国家建設を念頭に置いてのことだろう。韓国で次にいかなる政権が誕生しようとも、朝鮮と韓国との関係が大きく後退することはもはやありえない。

 このように、朝鮮半島を巡り歴史がダイナミックに動いている。それを国際社会は注視し、朝鮮との政治的、経済的関係を改善、強化しつつある。

 そうした中で隣国である日本だけが、かたくなに朝鮮への敵視政策を続けている。そのことが国際社会で、実に愚かで惨めな姿なのかに気づいていない。

 それはすでに、日本のアジア外交での立場を著しく低下させ、朝鮮で経済的権益を得る機会をも失いつつある。

 福田政権が進むべき道は、歴史的、大局的視点から日朝国交正常化交渉を今すぐ行い、そのうえで日朝間の諸問題を解決することしかない。

朝鮮はもう一つ 米津篤八 翻訳家

 このたびの首脳会談の成功、心よりお祝い申し上げたい。

 これでまた、朝鮮半島から戦争が遠のき、平和的統一が近づいた。

 日本のマスコミや、自称「朝鮮半島専門家」たちは、「単なるパフォーマンス」などと冷笑的な意見ばかりを垂れ流していたが、共同宣言は、見事にそれを打ち消す、すばらしい内容だった。

 大統領だけでなく、すべての人が、あの目に見えない境界線を自由に行き来できるようになる日も、そう遠くはないだろう。

 私の娘たちは、オモニの国籍を受け継ぎ、民族名を名乗って日本学校に通っている。

 以前、上の娘から、「私がおばあさんになるまでに、朝鮮は一つになるの?」と質問されて、不覚にも涙をこぼしてしまったことがある。

 でも、いま同じ質問をされたら、確信を持って答えられる。

 「ああ、もうすぐ朝鮮は一つになるよ。いや、もう一つなんだよ」と。

[朝鮮新報 2007.10.12]