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「テホンダン」号救出 米国の援助提供に感謝

 朝鮮中央通信社は8日、先月アフリカ東部のソマリア沖で朝鮮の貨物船「テホンダン」号が海賊とみられる武装グループに乗っ取られ、周辺の米海軍が救出作戦を展開した事件と関連して、詳報を発表した。全文は次のとおり。

 最近、ソマリア沖で朝鮮の貿易貨物船「テホンダン」号が海賊の襲撃を受ける事件が起きた。

 2007年10月29日、「テホンダン」号はソマリアのモガディシオ港に寄港して積み荷を降ろした後、出港を前に仮泊地に停泊中、警備員を装って乗船した7人の武装海賊によって不意に襲撃された。

 船員全員が操舵室と機関室に強制抑留された。

 海賊は、わが船員たちに威嚇射撃を加えながら1万5000ドルの現金を出すことと、自分たちが指示する水域へ航行することを要求した。

 不意の危険な状況ではあったが、わが船員たちは慌てることなく海賊の攻撃を退けるための戦闘を繰り広げた。

 彼らは、自動警報装置を作動させ、機関室を守っていた2人のテロリストの武器を奪ってし烈な銃撃戦を繰り広げた。

 操舵室が海賊に占拠された状況で、非常操舵機と救命ボート用羅針器を利用して公海へ航行し、残りの海賊を制圧する戦闘を続けた。

 一方、「テホンダン」号からの警報信号を受けた朝鮮の当該機関では即時、国際海事局(IMB)とマレーシアにあるIMB海賊情報センターに事件について公式通報し、協力を求めた。

 同センターの要請によって、周辺水域にいた米海軍の駆逐艦「ジェームズ・E・ウィリアムズ」号と1機のヘリが現場に出動して海賊に投降を命じながら、わが船員たちの戦闘を支援した。

 その結果、10月30日16時30分頃、戦闘が始まってから20時間ぶりに海賊は武器を捨てて投降し、「テホンダン」号はわが船員たちによって完全に奪還された。

 戦闘によって海賊1人が死亡し、わが船員6人が負傷した。

 米軍駆逐艦の軍医が負傷した船員たちに応急手当てなどの医療援助を提供してくれた。

 朝鮮の貨物船は正常航路に沿って目的地まで無事に航行した。

 今回、海賊が朝鮮の貿易貨物船を襲撃して占拠しようとしたのは、平和的な船舶に対する重大なテロ行為である。

 あらゆる形態のテロに反対するのは、朝鮮政府の一貫した原則的立場である。

 わが船員たちの戦闘が示しているように、テロ行為であれば、たとえ徒手空拳でも直ちに立ち向かって最後までたたかうのが朝鮮人民の気質である。

 われわれは、米国がわが船員たちに援助を提供してくれたことをありがたく思っている。

 今回の事件は、テロとのたたかいで朝米協力の象徴となる。

 われわれは、今後もテロに反対するたたかいにおいて国際的協力を続けていくであろう。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2007.11.14]