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〈07年朝鮮半島を振り返る -朝・日-〉 日本の変わらぬ対決姿勢

政権交代後も政策転換なし

 6者会談が進展した2007年、米国をはじめ各国が北東アジアの新たな国際秩序を念頭に置いた外交に乗り出した。だが、朝鮮と日本の悪化した関係は解消されなかった。この1年間、6者会談参加国の中で政権が変わったのは唯一日本だったが、大勢の流れに逆行する対朝鮮対決政策に変化はなかった。

強硬路線の破たん

 今年、朝・日の政府間交渉は二度あった。6者合意による朝・日国交正常化作業部会は3月にベトナムのハノイで、9月にモンゴルのウランバートルで開かれた。

 ベトナムでの会議は何ら成果なく、両者の対決の構図だけを浮き彫りにした。

 当時の安倍政権は6者会談の進展にブレーキをかけるため無分別な行動をとっていた。会談場で日本代表団は、拉致問題は被害者の死亡が証明されたからといって解決されるわけではなく、被害者全員が生きて帰ってこそ解決だと主張した。これは「死亡者を生き返らせろ」という無理難題を押し付けるものだった。安倍政権が最初から朝・日関係の進展を願っていないことを物語っていた。

 しかし日本側は、6カ月後にモンゴルで開催された会議で態度を変えた。拉致問題の「解決」と関連した強弁を撤回し、過去清算問題を誠実に解決していくとまで言った。会議で朝・日双方は、平壌宣言に基づいて「早期国交正常化のための努力」を傾けていくことで一致した。そして、これに関する具体的な行動計画を協議するためひんぱんに会議を開いていくことにした。

 日本が態度を変化させた背景には、6者会談の進展がある。

 朝米間の懸案だったマカオの「バンコ・デルタ・アジア」(BDA)凍結資金問題が米国の「政治決断」により解決され、6者合意履行が急速に進み始めた。これは、制裁と圧力で朝・日関係を悪化させた安倍政権の対決路線の破たんを意味するものだった。

 「早期国交正常化のための努力」に関する朝・日合意が安倍政権下でなされた事実は注目される。それほど、大勢は後戻りできない流れとなっていた。また、日本にはその他の選択肢がなかった。福田政権に変わった現在も置かれた状況はまったく同じだ。

3つの条件

作業部会合意要旨

−9.19共同声明と2.13合意の公約を再確認し、朝・日平壌宣言に基づいて朝・日間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決して国交正常化を早期に実現するために双方が誠実に努力することで一致した。今後、国交正常化早期実現のための具体的な行動について協議し、実施していくことにした。

−今後も作業部会でお互いの関心事項について誠意を持って協議していくということを確認し、可能なかぎり随時作業部会を開催することにした。(9月6日、モンゴル・ウランバートル)

6者会談での関連合意要旨

 朝鮮と日本は、平壌宣言に沿って不幸な過去を清算し、懸案事項を解決することに基づいて国交を正常化するための措置を取るため、2国間協議を開始する。(2.13合意)

 朝鮮と日本は不幸な過去と懸案事項の解決に基づいて、平壌宣言に沿って両国関係を速かに正常化するために真摯な努力をする。朝鮮と日本は両者間の集中的な協議を通じて、こうした目的達成のための具体的な措置を取っていくことを公約した。(10.3共同文書)

 今年3月に行われた朝・日作業部会で朝鮮側は、朝・日間の懸案問題と日本の過去清算に対する自らの立場を明らかにした。

 拉致問題に関連した再調査など、日本側の要求に対して、▼対朝鮮制裁解除▼総連弾圧の中止▼過去清算の開始という三つの条件を示した。これに対する日本側の態度と立場を見極めながら対応措置を考慮するというのが、この作業部会で明らかになった朝鮮側の立場だ。

 9月の作業部会での合意も当然、前述の条件を前提にしたと考えられる。

 6者会談の進展に合わせ、悪化した朝・日関係を是正し、新たな出発の契機を設けなければならなかった日本としては、どうしても双方の「一致」を演出する必要があった。

 ところが、9月の作業部会以後も日本の対朝鮮政策に肯定的な変化はなかった。安倍政権崩壊の政治的混乱の中で福田政権が誕生したが、作業部会の翌月に日本側は朝鮮に対する制裁措置をさらに6カ月延長した。

 外交消息筋によると、制裁延長の決定に関して日本側はあるルートを通じて、唐突な政策転換が難しい「国内事情」について朝鮮側に説明したという。

 客観的に見ると、日本の制裁措置延長は外交的慣例に反している。

 「説明」は弁明にすぎない。

遅延行為の限界

 今年、朝鮮人民の反日感情は極度に悪化した。日本当局が総連と在日朝鮮人を弾圧したのが原因だ。

 朝鮮政府は総連弾圧の中止を含む「三つの条件」をこれからも堅持するだろう。6者会談で合意された9.19共同声明履行の第2段階措置が計画通りに完了すれば、日本の孤立はいっそう明白になる。

 一時期、「早期国交正常化」を目標にして朝鮮側と協議をひんぱんに行うと言った日本の外交官も今は無策のようだ。政権が変わっても国内政治の混乱は続いている。内政問題に足を取られ、外交的な実行力を喪失したとの分析も可能だ。日本は突然の政権交代の後遺症がまだ残っている。

 北東アジアの秩序再編過程に背を向け大勢に逆行している日本は、近い将来、過去清算を回避し続けてきた自らの行為を後悔することになるだろう。(おわり、金志永記者)

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[朝鮮新報 2007.12.27]