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東京・台東同胞沿革史「テドン」刊行 A4版112ページ、オールカラー

先代の歴史と伝統を次代に

沿革史の表紙

 総連東京台東支部の同胞沿革史「대동(テドン)」が、1月に刊行された。

 3章、10節、付録からなるA4版112ページ、オールカラーの冊子だ。

 台東支部の役員を中心に23人の編集発行委員会メンバーが、2年の月日をかけて完成させた。

 第1章では、台東支部がいかに形成されたのかを解放前から紐解いている。調査によると、この地域に数百人単位で同胞が住み始めたのは、1920年代のことだという。その論拠として、23年の関東大震災時、200人を超える同胞死傷者が出たという事実をあげている。

 また、50年3月におきた台東会館接収反対闘争、浅草公会堂で行われた総連結成大会を支えた同胞たちの熱意など、興味深い内容が紹介されている。

 第2章は、総連結成以降年代別に台東の愛族愛国運動を概括し、その特徴と成果について紹介している。また、賃貸店舗を備えた支部会館の建設、商睦協同組合の出現、祖国に工場を建設した上野第2分会など、7項目を設け台東の活動をつぶさに紹介している。

話が弾んだ出版記念パーティー

 第3章では、7つの総連分会と商工会、朝青、女性同盟、青商会などの歴史と現況を網羅している。それぞれの特色を生かしながら、台東地域でいかに運動が展開され、誇らしい伝統が築かれていったのかを生き生きと描いている。歴代の分会長や各団体の役員も紹介され、どのような同胞たちにより運動が脈々と受け継がれてきたのかを懐かしく思い出させる。

 巻末には、台東地域に多大な功績を残した37人の物故者が紹介されている。また、総連台東支部の分会、団体の表彰一覧、主要年表なども掲載されている。沿革史発行に際して載せられている、8人の老若男女の祝辞は地域同胞たちの喜びと感慨を如実にあらわしている。

 総連支部単位で沿革史が発行されるのはまれなことだ。

 しかし、祖国の解放から60余年、総連結成から50余年の歳月が過ぎ、在日同胞の世代交代が進む中で、地域の1、2世の足跡を記録に残すことは急を要する作業でもあった。

 また、1、2世が築き上げた愛族愛国の伝統を次代につなげるためにも、地域の歴史を正確かつ詳細に残すことは、精神的な糧、地域運動の生きた教科書を作ることだった。

 編集発行委員会のメンバーらは事務局会議、顧問会議など36回におよぶ会議を開き資料と写真の収集、同胞の取材、原稿の執筆、事実確認などを綿密に行った。

 縁故者が世を去り、同胞によって記憶も交錯する中で、一つひとつ歴史を掘り起こし多数の証言を元に沿革史を完成していった。

 1月18日には沿革史「テドン」の出版を祝う会が、上野・東天紅で130人を超える同胞の参加のもと盛大に行われた。

 総連支部では、今後沿革史に掲載されなかった写真と資料を整理し、新たな内容を加えながら第2弾へとつなげたいとしている。(成)

[朝鮮新報 2007.2.6]