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平壌で迎春公演 在日同胞生徒ら出演 総連と朝鮮学校守る決意を表現

 【平壌発=李泰鎬記者】2007年度学生少年たちの迎春公演が2月18日、平壌の万景台学生少年宮殿で行われ、在日朝鮮学生少年芸術団が出演した。日本各地の朝鮮学校から選抜され、平壌で約2週間にわたって練習を積んできた69人の生徒たちは、この日の公演で、総連と朝鮮学校を守るためにたたかう活動家と同胞、生徒たちの固い意志を力強く表現し、観客に大きな感動を与えた。

客席は涙と喝采

迎春公演に出演した在日朝鮮学生少年芸術団(2月18日、万景台学生少年宮殿) [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 在日朝鮮学生少年芸術団は祖国から教育援助費と奨学金が送られるようになり50周年を迎える今年の迎春公演で、「私の祖国の青い空を抱き生きる」と題した演目を披露した。在日朝鮮人子女らと朝鮮学校に対する差別と暴行、脅迫事件が頻発するなか、勇敢にたたかう生徒たちが、教育援助費と奨学金が送られてきたことを伝えられ、さらなる力を得るという内容を、歌と踊りなどで表現したもの。

 総連弾圧についての報道を毎日のように聞いてきた観客は「こんな幼い子どもたちが暴行を受けているとは、胸が引き裂かれる思いだ」と涙を流した。

 金悠響さん(中1、広島初中高)のバイオリン伴奏をバックに、生徒らが「異国に住んでも祖国の青い空を胸に抱いて生きていきます」と歌う。総連と朝鮮学校を守る在日同胞、活動家らの決意を力強く語ると、会場からは大きな拍手がわき起こった。

 義母とともに観覧したコ・フナムさん(29、万景台区域居住、主婦)は「私も義母も涙してばかりだった。総連弾圧はテレビや新聞を通じてのみ知っていたが、この生徒たちが実際にやられているのだと思うと胸が痛む。しかし、同時に祖国を支持し共に生きようとする総連同胞たちの強い意志が伝わり、力がわいてきた」と感想を述べた。

心を一つに公演成功

平壌ホテルで行われた生徒らによる宴会

 在日朝鮮学生少年芸術団の金南葡c長(北大阪初中校長)は「生徒たちは本当に立派だ。公演後の生徒たちは満足感にあふれていた」と語った。

 在日同胞生徒たちが迎春公演に出演するようになり21回目となった今年はとくに困難が多かった。日本政府の不当な制裁で「万景峰92」号の運航が遮断され、より負担の大きい飛行機便で来なければならなかった。

 総連と在日朝鮮人に対する弾圧と人権蹂躙が繰り返される情勢のもと、民族教育の現場である学校にまで日本の警察が足を踏み入れたとのニュースも伝わった。練習のための十分な時間もなかった。そんな悪条件のなかでも練習に一生懸命取り組む生徒たちの熱意に驚かされたと団長は語った。

朝鮮中央テレビのインタビューに答える生徒

 幼い少年、少女たちにはあまりにも過酷な状況だったが、生徒たちは「青い空にはばたく69の鳥たちよ」と題した集会を開き、公演成功への決意を一つにした。練習に集中すること、時間を厳守することなど集団生活の規律を強化し、上級生が下級生を助ける気風を作った。

 公演が大成功に終わると生徒たちは抱き合って涙し喜びを分かち合った。

 「みんなが心を一つにして公演を成功させることができたので気分爽快です」と朴優朖さん(中1、北海道初中高)。劉和純さん(中1、東大阪中級)も、「練習期間が短かったけれど練習の成果を100%発揮することができました」と述べた。

 生徒たちは当初、慣れない場所や言葉の問題もあって、祖国の指導員らと遠慮がちにコミュニケーションをとっていたという。だが練習過程で互いに情が移り言葉を交わしていくうちに、公演成功に向けた思いが一つになった。これが公演成功の最大要因だという。

 生徒たちの健気な姿を見て、宿舎である平壌ホテルの従業員らは、健康に気を配り生活に不自由がないよう世話した。そんななか、邵基允さん(初5、城北初級)は愛くるしい言行と人懐こい性格でマスコットのようにかわいがられた。「祖国についていろいろ聞いてきたけど実際に来てみてもっと好きになりました」と語る邵さんは、演目のクライマックスで任された重要なセリフをしっかりとやり遂げた。この日の公演について、「100点満点以上です」と元気いっぱいに語った。

[朝鮮新報 2007.2.28]