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「朝鮮名峰への旅」(24) ブリザードが吹きすさぶ中、静かに太陽が昇ってきた

白頭山・冬の日の出

 待つこと1週間、ようやく風雪がやんだ。枕峰ホテルから、三池淵の飛行場へと向かう。今日こそ念願の空撮ができそうだ。

 これまで白頭山をめぐって、あらゆる角度からカメラを覗いてみたが、いまひとつ物足りなかった。それは、近くに白頭山と同じ高さの山がないからである。いつも振り仰ぐ角度からばかり撮っている。撮影を進めるうちに、ますます白頭山全体を撮りたい、写真集にするには、この一枚が絶対に欠かせないという思いが募っていく。

 ようやく空撮の許可が下り、白頭山撮影の基地である枕峰ホテルにはいったものの、連日の風雪に見舞われた。なかなか晴れ間がやってこない。1週間待ってようやく風雪が収まり、天気が回復した。胸が高鳴る。空港にはすでに準備を整えたヘリコプターが待機していた。機材を詰め込み、大空へと舞い上がる。

強風に吹かれた岩石

 樹林帯の上に出るとすぐに、純白の白頭山が目に飛び込んできた。針葉樹林が続く彼方に大きく聳えている。樹林帯を抜けると、眼下に異様な模様が現れた。大きな白い筋は沢だとすぐにわかったが、その間の細かなシワシワが何なのかよくわからない。理解する前に、ヘリはそこを通り越し、天池へと向かった。

 空撮を終えた数日後、歩いて山頂へと向かう。先日見たシワは何であるのか、原野に踏み込んでみた。そこには火山の細かな岩石があった。強風に吹かれた岩石は、荒海の波のように大きくうねり、土手をつくっていた。

 白頭橋の山小屋から星が瞬く夜空のもと、山頂へと向かう。登るにつれてあたりが明るくなってきた。山頂直下まで来ると、日の出の時刻となった。ブリザードが吹きすさぶ中、静かに太陽が昇ってきた。(山岳カメラマン、岩橋崇至)

[朝鮮新報 2007.2.28]