〈3月−保健だより−〉 「食育ってなんだろう?」 |
現在、日本は世界中の食品が簡単に手に入る豊かな時代に入っています。 その反面、食生活が乱れ、健康に不安を抱える人が増えています。 生まれながらにアレルギー症状を持った乳幼児や、以前は成人病と言われた糖尿病、高血圧などの生活習慣病の子どもが増え続けています。 社会的にも「キレる」子どもの増加や、犯罪の低年齢化も「食生活」のひずみが関係すると言われています。 「早寝 早起き 朝ごはん」。これは文部科学省が出した「食育」のキャッチフレーズです。ここ数年、スローフード、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)、肥満、生活習慣病などの言葉と合わせて「食育」という言葉をよく聞くようになりました。 私はこれまでも、保健室を訪れる子どもたちと「いつ」「何を」食べたかを話題にしてきました。食べるという行為は連続的、継続的、永久的に続きます。 まずは家庭での食事習慣についてふり返ってみてはどうでしょうか。 6つの「こ飯」 孤食…ひとり寂しく食べること。親が好きなものを食べさせている状態。 小さい頃の好き嫌いは、わがままな、協調性のない性格を作ります。 子どもの孤食は心の育ちに大きく影響します。 孤食の機会が多ければ、食事のマナーなどを習得することも困難になり、箸を上手に使えない子どもも増えます。 すべてを手料理でとはいえませんが、せめて一日一回、一汁一菜を作ってみましょう。 今、食育が大事 1 食べ物を選ぶ力 2 食べ物の味がわかる力 3 料理ができる力 4 食べ物のいのちを感じる力 5 元気なからだがわかる力 @よくかめる子はあごの筋肉も発達し、きれいな歯並びになります(きれいな歯並びは歯みがきがしやすいので、虫歯予防にもつながります)。 Aよくかむと食べ物が吸収しやくすなります(かむことでだ液がたくさん出てきて消化を助け、口の中をきれいにしてくれます)。 Bいろいろな食べ物をおいしく食べられます(固い物、やわらかい物など食べることで「コリコリ、まろやか、サクサク、ふんわり」といった食べ物を通した豊富な感覚が備わり、子どもの脳にも刺激を与えます)。(終わり) (広島朝鮮初中高級学校 元養護教諭 徐千夏) [朝鮮新報 2007.3.8] |