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くらしの周辺−「チョウセンブナ」

 つい最近、メダカを飼い始めた。矛盾ではあるが「メダカの学校は♪」と鼻歌を交えて毎日餌をあげている。ある日、餌の購入ついでに店内を眺めていると、「チョウセンブナ」と書かれた水槽があった。日頃から日本社会の「韓国」という言葉への行き過ぎた傾倒と、「朝鮮」という言葉に対する異常な嫌悪感に疑問を感じていた。意表を突かれた感じを受けつつも、朝鮮人参があるのだから当たり前かと思い直した。そこで動植物等に「チョウセン」とつくものはどれくらいあるのか興味が湧いてきた。

 さっそくネット検索をかけてみると、昆虫類に貝類など実にさまざま。原産地が朝鮮半島のものだけでなく、昔に海外から入ってきたものの意味として付けられている場合などがある。日本と朝鮮半島との歴史の関わりを、ある意味表しているものだと感心してしまった。

 中でも一番多く検索されたのは最近話題になったチョウセンアサガオ類だ。その種類でおもしろいものを見つけた。その名も「アメリカチョウセンアサガオ」。何ともミスマッチな、それでいてグットタイミングで微笑ましい名前ではないか。ナス科で夏に大きいラッパ型の白花を上向きに咲かせるという。そして原産地は米国だ。ふむふむ、いずれ朝米正常化の花を咲かせようとする米国が「原産」だったのか。

 そうそう、この花、チョウセンアサガオ類だけに花や茎に毒を含む。が、しかし「毒が毒が」と騒ぎ立てるより、花は花として見る心の余裕が今の日本に必要では。

 さて、今度はこの花の種を思いを込めて蒔いてみよう。(金範重、法人職員)

[朝鮮新報 2007.3.31]