07年度版「アリラン」 15日から平壌で開幕 |
より洗練されたステージに 【平壌発=李相英記者】大マスゲームと芸術公演「アリラン」が金日成主席生誕95周年(太陽節)を機に、今月15日から平壌で上演される。「アリラン」公演は2002年の初上演以来、今回で3度目。朝鮮では今年の太陽節を、90年代以降、試練を乗り越えて、近年成し遂げられたさまざまな成果を国内外に誇示する契機として意義づけている。07年度版「アリラン」も、朝鮮の国力を内外にアピールし国内最大の記念日を祝う一大芸術行事として市民の大きな関心を集めている。 「黎明」迎えた国力を誇示
07年度版「アリラン」は、昨年決定された「『アリラン』伝統化」の方針を受けて行われる初の公演となる。「伝統化」とは、「アリラン」を毎年上演し、その完成度を高めることによって、朝鮮を象徴する芸術作品に発展させようというもの。 「伝統化」方針後、初の公演として昨年8月から上演される予定だった06年版「アリラン」は、7月に朝鮮半島を襲った大雨による水害の影響で延期になった。しかし、延期後も出演者と関係者らは公演準備を進めてきた。 「アリラン」は、朝鮮に古くから伝わる民謡「アリラン」をモチーフにした作品だ。歌と踊りに背景台や体操などアクロバチックな要素を組み合わせ、「章」「景」ごとに細かく区切ったストーリーが展開される。 音楽や照明、大掛かりなアトラクションを効果的に使い、会場全体を舞台に公演が進行するのが特徴。現在まで基本的な内容の枠組を踏襲しながらも、上演時の国内外情勢を反映する方向でアレンジされ、年ごとに違った顔を見せてきた。07年度版も以前のものと比べ、内容と形式がより洗練され新しくなっていると関係者は話す。 公演全般を統括するソン・ソクファン文化省次官は今年1月、本紙記者とのインタビューで07年度版「アリラン」について、「米国のどう喝と圧力を先軍の力で退け強盛大国建設の黎明を迎えた今日の時代状況に合わせ内容を新しくした」と語っている。「受難に満ちた朝鮮民族の100年史を描きながらも、民族の英知と人民の団結力、そしてわが国の力を世界に誇示するものになるだろう」というのがソン次官の説明だ。 公演準備は最終段階に 内容面での主な変更点として、今回新たに、第2章の中にテコンドーの場面が加えられた。また、ほかの章でも歌や踊り、背景台の演出に大小さまざまな変化がある。一方で、カラーの電光掲示板や最新の照明設備を導入するなど、技術面での改善も著しいという。 出演者およびスタッフの数は1回の公演で延べ10万人に達する。延期された昨年度公演の出演者を基本に、新たなメンバーも加わった。 現在開幕に向けて、会場のメーデースタジアムとその周辺では最終段階の準備作業が急ピッチで進められている。3月末からスタジアムでは午前、午後に行われる場面ごとの練習に加え、夜には背景台や照明、衣装なども合わせた出演者全員参加のリハーサルが始まった。また、会場周辺の飾り付けやライトアップなど、公演に向けた雰囲気作りも進められている。 公演準備委員会のキム・クムリョン演出室長は、「出演者、関係者の士気はとても高い」としながら、「公演を成功させるため、全ての人々が一致団結し準備に励んでいる」と話す。 公演は日曜を除いた毎日、午後8時から行われる。期間は4月15日から5月末までを予定している。 関係者によると、今回の公演は「国内向け行事」と位置づけられているため、以前のような海外からの観覧客を積極的に誘致する対外招請活動は行っていない。 一方で、観覧を希望する外国人や海外同胞についてはすべて受け入れ、観覧の便宜を図るという。もちろん祖国を訪問する在日同胞も、事前に申し込めば公演を見ることができる。 [朝鮮新報 2007.4.6] |