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金英蘭舞踊研究所第6回発表会 名作はじめ19作品上演

客席に手を振りあいさつする出演者ら(前列中央が金英蘭さん)

 金英蘭舞踊研究所第6回定期発表会が3月28日、東京都豊島区の東京芸術劇場で行われ550余人が観覧した。同研究所では開校以来2年に一度、ふだんの練習成果を披露するため定期発表会を開催している。今発表会には7歳から20代までの在日3世、4世が出演した。

 1部と2部で構成された発表会では19作品を上演。既成作品、創作舞踊、ダンスなどさまざまな趣向を凝らしたプログラムは見応えがあるものだった。

 第1部では、独舞「太鼓の舞」(金仙玉)、「草笠童」(都榮希)、4人舞「トンドルラリ」、群舞「手太鼓の舞」「チェンガンの舞」など、朝鮮舞踊の名作を上演した。

絶賛を浴びた群舞「向(ヒャン)」

 第2部は、創作舞踊が中心となった。なかでも、社会問題となっている「いじめ」に心を痛め、子どもたちへどんなにつらく苦しくても夢に向かって希望を持ち続けてほしいとのメッセージをこめた群舞「希望の翼」(振付=金英蘭)や、群舞「向(ヒャン)」(振付=同上)、クラシックバレエの要素を取り入れ、乙女の淡い恋の予感を描いた独舞「ある春の日の夢」などは、在日であるからこそ抱ける感情や感覚を斬新なスタイルで表現した。

 このようなプログラム構成について同研究所主催者の金英蘭さんは、「70、80年代という、朝鮮舞踊の名作が数多く創作された時代を知らない研究生たちに、その頃の名作を受け継いでいってほしいという思いと、今を生きる在日朝鮮人である自分たちの立場を問う作品の創作に力を注いだ」と話す。

 発表会ではまた、同研究所で10年以上レッスンに励んできた6人の研究生による舞踊グループ「舞ロード」のダンスも披露された。

 孫が出演したという金用善さん(75)は、「舞踊といってもいろんなものがあっておもしろかった。こうやって若い世代が日本で朝鮮舞踊を踊り続けていることがうれしい」と感想を述べた。

 開設当初から同研究所で学び、現在中学生クラスの講師を務める金仙玉さん(24)は発表会を無事に終え、「舞踊を続けてきてよかった。これからも仲間たちとともに踊り続けていきたい。朝鮮舞踊をもっと普及してたくさんの人たちに見に来てほしい。今後はほかの地方でも披露できれば」と話した。(文=呉陽希、写真=盧琴順記者)

[朝鮮新報 2007.4.6]