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〈みんなの健康Q&A〉 腰痛(上)−予防と対策

 Q:腰痛は、なぜ起きるのでしょうか?

 A:腰痛は、人間が2本足で立ち日常生活を送るうえでの宿命とも言える症状です。腰は、体を動かす時に中心となる箇所で、頭やおなかの中の内臓等を支えつつ、いろんな動作をするたびにかかる腰への負担は、かなり大きいものがあります。多くの方が、腰痛を経験し、悩まされていると思いますが、その原因もさまざまです。日常生活での姿勢や運動不足による筋力の低下、肥満やストレス、スポーツなどによる過度の腰への負担、また、病気が原因で起こる腰痛もあります。

 Q:病気が原因で起こる腰痛について教えてください。

 A:腰痛を引き起こす病気の原因としては、骨や関節周囲、筋肉から来る腰痛、細菌の感染やガンなどで起こる腰痛、胃腸や腎臓、婦人科疾患等の内臓疾患などがあります。

 骨が関係する腰痛では、加齢により骨のカルシウム量が減少し、骨がもろくなる骨粗しょう症があります。もろくなった骨に圧力が加わり圧迫骨折を起こすと神経を刺激し、腰痛をおこします。加齢のほかにも、カルシウムの摂取量不足、運動不足、日光浴不足、食事や生活環境も影響しますので、予防を心がけましょう。

 そのほかにも、スポーツや外傷、先天的な影響により、腰骨の一部が疲労骨折をおこし離れる脊椎分離症や腰骨が前方にズレる脊椎すべり症、加齢とともに腰骨と腰骨の間にあるクッションの役目の椎間板が狭くなり、腰骨の縁にとげの様な変形を起こす変形性脊椎症などがあります。

 関節周囲や筋肉が関係する腰痛では、椎間板が損傷し、その中の髄核と言う中心部が突出し、腰の神経を刺激する腰椎椎間板ヘルニアや中高年者に多く、腰の神経が通っている脊柱管が狭くなり、神経が圧迫される腰部脊柱管狭窄症、急性腰痛の一種で、急激に腰を捻ったり、曲げたり、重いものを持ったりした時に、腰の関節や筋肉を損傷する突発性腰痛症いわゆるギックリ腰、長時間の同じ姿勢や腰に負担のかかる運動により、筋肉が疲労し、炎症や血液循環障害等などでおきる、筋、筋膜性腰痛などがあります。

 Q:腰痛が起きた場合は、どうすればいいのでしょうか?

 A:ギックリ腰などの急性の場合は、激痛を回避するために横になり、エビのように丸くなって楽な姿勢をとりましょう(膝と股関節を曲げることにより、腰にかかる負担を軽減します)。

 横向きが痛いようであれば、痛みが軽減する姿勢をとりましょう。次に、腰の炎症を抑えて回復を早めるために、氷のうや保冷剤などで患部を冷やしましょう(温めると炎症がひどくなり、痛みを増強させる場合があります)。痛みが強い場合は鎮痛剤を使用して安静にし、痛みが落ち着き、動けるようでしたら、整形外科などの医療機関を受診してください。ギックリ腰ならおよそ1週間ほどで痛みも治まりますが、それ以上、痛みが長引く場合は、腰椎椎間板ヘルニアや骨折も考えられますので注意してください。また、慢性的に腰に痛みがあり長引いている方も、一度、整形外科や内科などで詳しく検査を受けてみてください。

 Q:腰痛の治療法と予防法について教えてください。

 A:腰痛の治療法としては、手術を行うか保存的に治療していくかに分けられると思います。

 腰痛がひどく、日常生活に支障をきたしたり、足にしびれや痛みが持続したり、腰や足の筋肉の萎縮や筋力の低下、排尿排便の障害などが現れた場合は、医師と相談し、手術を検討してください。保存的な治療法としては、湿布や内服薬で血流を良くし、痛みや炎症を抑える薬物療法や痛む箇所に直接的に注射をするブロック療法、電気刺激や温熱刺激などで痛みを緩和し、血行を改善して炎症を抑える物理療法があります。また、鍼や灸、整体などの治療や腰周りの筋肉の強化により痛みを改善する運動療法があります。

 予防法としては、腰にかかる負担を軽減して安定させるのが大切です。肥満気味の方は、体重を減らし、食生活を見直しましょう。次に、正しい姿勢と腰周りの筋肉の柔軟性と筋力の強化を行いましょう。日常生活では、イスに座る時に足を組んだり、前かがみで重いものを持ったり、長時間の車の運転やハイヒール、底の固い履物は避けてください。

 腰周りの筋力強化には、腰痛体操や水中歩行、ウォーキング、バランスボール、ゴムチューブでのトレーニングなどが効果的です。ただ、心臓病や高血圧、その他の疾患がある方は、医師の指示に従い注意して行いましょう。

 (りー整骨院 院長 李宗建、神戸市中央区坂口通7−2−23 グランドハイツ上筒井102号、TEL、FAX 078・272・1885)

[朝鮮新報 2007.5.17]