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「統一評論」創刊500号祝う 民族統一願う言論をリード

 東京で発行されている朝鮮の統一問題専門誌「統一評論」(崔錫龍編集、発行人)が、発売中の07年6月号で創刊500号を迎えた。

 4.19革命1周年を記念して61年に創刊され、46年目になる。同誌創刊号の「編集後記」には、「われわれはこの雑誌を発刊して専門家となることを拒否する。統一を達成して早く廃刊することが目的だからだ」と記されている。

 創刊時に、逸早い廃刊をうたった雑誌がかつてあっただろうか。この言葉には、一個人や一出版社の幸福や栄達を願うのではなく、民族の統一をひたすら願う当時の人々の熱い思いが投影されている。なお、崔編集、発行人も、02年、米ロサンゼルスで行われた第1回民族言論賞の受賞スピーチで「一日も早く民族の統一が実現され、統一評論の門を閉じる日が来ることを願う」と述べ、大きな拍手を浴びたことがある。創刊時の時代精神は半世紀近く経っても、色あせることなく脈々と引き継がれてきたことを示すエピソードであろう。

 創刊500号を祝って、同誌6月号には南の人士から祝賀メッセージが寄せられているが、李桂煥「統一ニュース」代表は、「私たちは500号46年という『数字』を祝賀するのではなく、その歳月に刻まれた『統一の歴史』に頭をたれるのです」と述べ、同誌の役割と統一実現をめざすこれまでの闘いを次のように称えた。

 「統一評論の500号という年輪には、南北関係の歴史が、北、米関係の歴史が、そして在日同胞のたたかいが刻まれています。500号という年輪には、南北がなぜ、反目し対立し、そして和解と協力の時代を迎えているのか、7.4南北共同声明がなぜ生まれたのか、…そして、6.15共同宣言がどのように生まれたのか刻まれています」

 また、在米同胞学者の鮮于学源・セントラルメソジスト大学名誉教授も、祝賀メッセージの中で、「統一評論は、祖国統一問題だけでなく、在日同胞の権利と生存権のために、正当な立場から日本社会で模範となる正論を展開し、在日同胞はむろんのこと、日本の知性からも注目される、重要な役割を果たしてきた」と高く評価した。

 なお、記念すべき500号には、「2.13合意初期措置履行の現状と展望−BDA問題の解決が鍵」(梁明哲)、「信頼関係確立こそが平和の礎」(鎌倉孝夫)などの力作がそろっている。今の東アジア情勢、朝米関係をビビッドに理解するうえで最適の雑誌であろう。(統一評論社、TEL 03・5800・5101)(粉)

[朝鮮新報 2007.6.2]