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〈本の紹介〉 「民族の壁どついたる!」

「パッチギ!」と同時発行

 本書は映画「パッチギ! LOVE & PEACE」製作の原動力となった井筒監督書下ろし作品。映画公開と同時に緊急発売された。

 まず、タイトルがいい。そのままスバリと「民族の壁どついたる! 在日コリアンとのつき合い方」。しかも、新シリーズ「14歳の世渡り術」の第1作目、子ども向けに平易に書かれていて読みやすい。

 監督は、本の冒頭で心情を切々と語る。「ぼくが監督した『パッチギ!』は、日本と朝鮮のことを深く考えたすえにできあがった映画です。日本人と在日コリアンの高校生のどつき合い。そして彼、彼女らの恋愛や新しい生命の誕生、少し平凡ではない日常を描きました。

 …

 日本人と在日コリアンの人々のあいだに何があったのか。その歴史を忘れたらいけません。歴史をちゃんと語らなければ、何も前進しないんですよ。ありのままに語ることが大事なんです。そのうえで、相手とぶつかり合わないと、人と人とが理解しあい、本当の意味で握手することはできないのです」と。

 古代の朝・日関係史から近現代史までを概括しながら、なぜ、今のように対立関係が生まれたのか。監督は、相手を知る、歴史を知る、現実を知る、真実を知る、知ることは未来につながる知恵となる、と強く訴えている。10代必見の書!(井筒和幸著、1200円+税、河出書房新社、TEL 03・3404・8611)

[朝鮮新報 2007.6.5]