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「朝鮮名峰への旅」(26) 天池に流れ込む唯一の小川・玉将泉、湖を囲む山々にはキバナシャクナゲの大群落

 6月から7月にかけては、白頭山が一番輝く時である。高山植物が山麓から山頂へと咲き競い、お花畑をひらひらとチョウが舞う。

白頭山(夏)

バイケイソウ

 そんな一日、白頭山を研究している人たちの好意で、天池にゴムボートを浮かべてもらうことができた。ゴムボートはゆっくりと湖面をすべるように進む。この日は風が弱く、湖面にまわりの山々の姿が映る。湖水を進んでいくボートの位置や、ボートが切る波によって、山の影はゆらゆらと変化していく。

 いつもは朝鮮側から対面の中国側を眺めるだけだったが、湖水から、初めてきちっと朝鮮側を眺めることができた。ボートはゆらゆら揺れて止まらない。三脚を固定できない。対岸の国境近くに接岸してもらい、上陸する。

キバナシャクナゲ

 そこは氷河の痕跡が残る大きく開けた場所であった。上部には雪渓が残り、雪解け水は小さな流れ・玉将泉となって、天池に注ぎ込む。天池に注ぎ込む唯一の小川である。

 緩やかに起伏する斜面を登り、国境の杭のある所まで行く。俯瞰すると、天池の全景が眺められる。湖を囲む山々が、これまでとは違う景観を見せている。天池に続く斜面にはキバナシャクナゲの大群落があり、川岸にはバイケイソウがちらほらと咲いている。(山岳カメラマン、岩橋崇至)

[朝鮮新報 2007.6.27]