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「南北コリアと日本のともだち展」 絵を通して心の壁を乗り越えよう!

家族、友人、先生など140点

 北東アジアの平和を願う催しとして01年からスタートした「南北コリアと日本のともだち展」が、今年も6月28日から今月4日まで東京・渋谷の東京都児童館で開かれた。絵画展は、北南朝鮮と日本そして在日コリアンの子どもたちの絵をひとつの会場に展示して、絵でお互いを紹介しあい、心の壁を乗り越える第一歩にしようというもの。これまで東京、ソウル、平壌などで展示された。

「私の大切な人」

チャン・ジュウォンさん(ソウル市、5年)の作品

 今年の絵画展のテーマは、「私のたいせつな人!」。

 会場には朝鮮から30点、南から30点、日本から80点(朝鮮学校の40点を含む)の子どもの絵が展示された。

 リム・ソヒャンさん(平壌市、4年)の大切な人はお母さん。絵には「お母さんは新聞に出たうちの学校のニュースを見てよろこんでいました。そして、勉強をがんばって絵もうまくかきなさいといいました」と書かれている。

 チャン・ジュウォンさん(ソウル市、5年)の大切なものは猫。「この猫は私にとってとても大切な友だちです。大好きだから手放したくないのです」。

韓麗和さん(東京都、6年)の作品

 韓麗和さん(東京都、6年)の大切な人は学校の友だち。「友だちと一緒に縄跳びをする絵をかきました。一緒に勉強をして、遊んで、お互いに手伝ってあげたりもします」。

 木村み音さん(2年)の大切な人は前原先生。明るい太陽の下でほほえむ先生の姿を画用紙いっぱいに描いた。そこには、「犬がすき。山のぼりがすき。小学校2年1組のたんにんの先生がたいせつな人です」と書き添えられた。

 画用紙にはそれぞれ、家族や友人、先生、いっしょに暮らしている動物や思い出の品など、子どもたちが日頃大切に思っている人や物などが描かれていた。

こどもワークショップ

ワークショップ。学校や家で話すことばの問題では、たくさんの朝鮮学校児童が「B朝鮮語と日本語のごっちゃ」の札の下に集まった

 1日に行われた「こどもワークショップ」では、南朝鮮のNGO「南北オリニ オッケドンム」の9人の子どもたちを含め、日本と在日コリアン児童50人でクイズやゲームなどを楽しんだ。

 「仲間さがしクイズ」では、「ふだん朝に何を食べるのが多いですか?→@ごはん、Aパン、Bその他」「朝ごはんを食べるときに使う道具は?→@おはし、Aスプーン、Bスプーンとフォーク、Cその他」「学校では何語を話していますか?→@朝鮮語、A日本語、B朝鮮語と日本語のごっちゃ、Cその他」などの質問が出された。

 子どもたちは質問が出されると番号札の下へダッシュ! 学校や家で話す言葉の問題では、たくさんの朝鮮学校児童たちが「B朝鮮語と日本語のごっちゃ」の札の下に集まった。

 つづいて行われた朝鮮半島と日本に関する「グループ対抗○×クイズ」では、「日本の国土と朝鮮半島では日本の方が大きい」(答えは○)などの質問が出され、言葉の通じない子どもたちが互いに「○?」「×?」とジェスチャーで意思の疎通を図っていた。その間で、力を振るったのがバイリンガルである朝鮮学校の子どもたち。日本と南の子どもたちの間で、通訳を買って出た。

絵画展の入口で「ハイ、ポーズ!」

 ○×クイズの最中、司会者はマイクを持って場内インタビューする場面も。「日本一長い信濃川と朝鮮一長い鴨緑江では信濃川が長い?」の問いに「×」を出した児童に向い、「なぜ×なのか、理由を聞かせてください」と司会者。児童は恥ずかしそうに、「学校で習ったから」と答えた。周りからは「おぉ!」というざわめきが。答えた児童はどうやら朝鮮学校の児童らしい。事実、日本の信濃川に比べ、鴨緑江は2倍長い。

 また、「キムチの原料であるとうがらしは日本から朝鮮半島に伝わった」という質問では、×の理由は「日本から朝鮮半島にわたったのなら、日本にキムチがたくさんあると思うから」。○の理由は「アッパから聞いたんだけど、日本人はあんまり辛くて食べられないから韓国に伝わったんですって。そうしたら、韓国人はおいしいおいしいと食べたんですって」などの声が寄せられた。(質問の答えは○)

 ワークショップではほかにも、風船わたしゲームやビデオレターの紹介、よさこいアリラン、マイムマイムなどが行われ、会場には子どもたちの楽しそうな笑い声があふれた。

平壌展に期待

木村み音さん(2年)の作品(左)とリム・ソヒャンさん(平壌市、4年)の作品

 絵画展はこの後、8月下旬に平壌、9月中旬にソウルと続く予定だ。

 8月の平壌行きを控えた子どもたちは、「平壌に行ったら本場のキムチを食べてみたい。それから、学校にはどんなサークルがあるのかも知りたいし、日本で暮らす私たちとどんなところが違うのかも興味深い。私は学校でバスケットボール部と舞踊部に入っているんだけど、朝鮮の子どもたちともバスケットボールをやってみたい」(鄭佳南、6年、東京第6)、「初級部1年生のときからずっと平壌に行ってみたいと思っていた。学校の授業や先生のお話を聞いて、平壌へ行くのが私の夢になったの。

 朝鮮学校で学んでいるから、平壌にも行ってみたいし、ソウルや南の故郷にも行ってみたい。朝鮮の友だちとも一緒に遊んでたくさん話して、日本の遊びも教えてあげたい。輪投げや鉄棒の逆上がりなどをしてみたいかな。あと、ドッヂボールもしてみたい。それから…平壌の子どもたちに、なんで朝鮮の箸は重いのかも聞いてみたい」(卞優姫、6年、東京第6)などと話していた。(金潤順記者)

[朝鮮新報 2007.7.6]